【日本のガソリン価格、影響は】レギュラー90円台に? NY市場で原油価格が前代未聞のマイナス

公開 : 2020.04.23 12:00

原油と牛乳、似ている? 調整できず

今、日本では多くの学校で給食が休止している。さらに毎年4〜5月にかけては生乳の生産ピークとなる時期だが、牛乳も原油と同じで生産調整ができない。

貯蔵するにも限界がある。

このような中、4月21日には農林水産省が「プラスワンプロジェクト」を開始した。牛乳を消費して酪農家を支えるため、普段より1本多く牛乳をはじめとする乳製品を消費しようという試みだ。

牛乳ならふだんより1本多く買うなどして助けることはできるが、原油だとそれも難しい。

わたしたち一般市民が原油を使う=ガソリンを消費する=クルマに乗ることになるため、外出自粛や地方への移動を制限される昨今、クルマで出かける=ガソリンを消費することは困難だ。

ところで、原油価格がマイナスになるというありえない状況だが、これは今後、日本のガソリン価格にどのように影響していくのだろうか?

前出の大手石油元売り会社に聞いてみたところ……。

――原油価格がマイナスになると、日本のガソリン価格はどのようになりますか? いつ頃、影響が出てきますか?

「今回の下落は取引最終日を前にした5月物の一時的な急落と見ています」

「また日本の原油輸入価格を決めているのはドバイやオマーン等の中東原油価格であるため、今回の下落が日本のガソリン小売価格に与える影響は軽微だと考えております」

では、日本のガソリン価格を左右する「中東産原油先物」の状況はどうなっているのか?

東京商品取引所でも18年2か月ぶりの安値

実はこの原稿を書いている本日22日。東京商品取引所において中東産原油先物の1000キロL当たりの指標価格が一時1万6000円を割り込んだ。

この指標価格は約18年2か月ぶりの安値だという。NY市場と同様、新型コロナウイルス感染拡大による需要急減によって価格が暴落したのである。

18年2か月前と言えば2002年2月となるが、この時期のガソリン価格はどれくらいだったのだろうか?

冒頭で紹介した資源エネルギー庁の「全国給油所小売価格調査」によると、レギュラーガソリンの1L当たりの価格は、2001年12月25日に100円を割って99円となり2002年2月4日には98円。

これが同年4月15日まで続いて、5月7日に再び100円に戻っている。

またハイオクの方は、2002年1月28日111円→同年2月4日110円→4月22日111円と推移している。

つまり、日本のガソリン価格は今後、18年前の今頃と同じレベルにまで下がる可能性が十分にあるということ。

レギュラー90円台(場所によっては80円台?)、ハイオク110円台(同じく100円以下?)になる日も遠くはないかもしれない。

と、喜んではみたものの、外出自粛が続く中では安いガソリンを謳歌しながら遠出のドライブをする機会など、しばらくは訪れないだろう。

この先エンジンオイルなども当然下がっていくであろうから、エンジンオイル4L缶が安くなった時に少し多めに買っておくくらいしかできなさそうだ。

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