【新型エクストレイル】eパワー/PHEVはあり得るか? アウトランダー/RAV4 PHVの関係が鍵に
公開 : 2020.04.24 05:50 更新 : 2021.07.27 14:54
三菱アウトランダーPHEVの存在
内田CEOの説明では、2020年内にキックス日本仕様がeパワー化されて登場することは確実な情勢であることからも、エクストレイル日本仕様が欧米では設定のないeパワー搭載になる可能性が高い。
では、プラグインハイブリッドはどうなるのか?
この疑問が出てくる背景には、三菱の新型「アウトランダーPHEV」の存在がある。
アウトランダーPHEVは、2013年に日本で先行発売。その後、世界60か国で累計販売台数は約22万台となり、2019年末時点で世界で最も数多く売れたプラグインハイブリッド車である。
中でも注目されるのが、欧州での好調だ。
これまで、一部の国では企業で使用する場合の奨励金や税制面でのメリット等があり、アウトランダーPHEVの販売を大きく後押しした。
三菱自動車幹部が東京モーターショー2019で明らかにしているように、電動車についてはルノー・日産とのアライアンスを徹底する。
その上で、EV、プラグインハイブリッド、レンジエクステンダー(eパワー)を仕向け別に割り振りながら新型車を導入すると説明している。
その流れでいくと、同じカテゴリーに属するアウトランダーとエクストレイルでプラットフォームやパワートレインを共有することは当然の流れ、だと考えられる。
そうなると、バリエーションのパターンとして気になることが出てくる……。
エクストレイルPHEV、ありか?
アウトランダーeパワーと、エクストレイルPHEVが、あるのかないのか、という疑問だ。
ここから先は、私見である。
欧州ではエクストレイルPHEVが出る可能性があると思う。背景にあるのは、欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会(EC)が提唱する、欧州グリーンディール政策だ。
CO2排出規制にとどまらず、企業に対する環境面でのコンプライアンス強化が進んでいる。
そのため、日産としては欧州メーカー各社と同様に、PHEV導入が必要となるはずだ。
一方で、日本でのエクストレイルPHEVの導入のカギとなるのは、トヨタ「RAV4 PHV」の存在を、どう気にするかだろう。
別の見方をすると、日米欧に限らず、全世界市場で日産が三菱を、どのような位置付けにしたいか、という点も気になるところだ。
PHEVを当面、三菱ブランドのアイテムとして明確に位置付けることが、三菱の親会社としての利益につながる、という考え方だ。
少なくともeパワーの認知度が高い日本では、PHEVは三菱専用とすることで、三菱ブランドの再生に弾みをつける、という戦略も十分に考えられる。
果たして、日本で、エクストレイルeパワーとアウトランダーPHEVに加えて、エクストレイルPHEVと、アウトランダーeパワーという組み合わせは実現するのだろうか?