【35は買いなのか】試乗 メルセデスAMG A 35 4マティック 「45」との違いは?

公開 : 2020.04.24 17:32  更新 : 2021.10.11 13:50

エディション1 走りの評価

A 45に初めて乗った時は街中でのチョイ乗りだったこともあり、乗りやすいことから本当に360ps(当時)もあるの? という印象があった。

その後しかるべきところで乗った時にはそのパワーとやや未完成なマニアックなハンドリングに感銘を覚えた記憶がある。

メルセデスAMG A 35 4マティック・エディション1
メルセデスAMG A 35 4マティック・エディション1

A 35に乗って走り出してすぐ気付くのは、普通のAクラスと変わらない扱い易さだ。何ら気遣うことなく普通に乗れるのである。

しかしそこから右足に力を込めれば、たちまち流れを容易くリードでき、タウンユースで負けることはほとんど無いだろう。

ベースモデルのA 180に較べると車体各部の補強によって剛性が高められたことにより、サスペンションがちゃんと機能しているため乗り心地も良い。

ステアリングもリニアで正確で、思うままに操ることができる。公道で乗っている分にはA 45 Sとの115ps差ははっきりとは感じられなかった。

しかしドライブ・モードをコンフォートからスポーツ・プラスに切り替えると様相は一変する。

エンジンはより活発になり、シフトポイントも高まり、エグゾースト・サウンドも高まり走る気にさせてくれる。またシフトダウン時はブリッピングも入りダイナミックなドライビングが楽しめるが、A 45に較べるとマイルドといえる。

A 35は「買い」か?

A 35の本体価格は634万円(以下すべて税込)。トップモデルのA 45 Sは798万円と164万円高だが、A 35にナビは備わらず、A 45 Sには標準で付くだけに実質的には140万円ほどの差となる。

今回試乗したのは特別仕様の「エディション1」で、数多くのオプションが組み込まれているため価格は750万円とA 45 Sに迫る。

メルセデスAMG A 35 4マティック・エディション1の内装
メルセデスAMG A 35 4マティック・エディション1の内装

しかしナビゲーション・パッケージ、AMGパフォーマンス・パッケージ、19インチAMGマルチスポーク・アルミホイールなどの価格差以上の装備を誇り、大型のフロント・スプリッターやハイグロスブラック仕上げの大きなリアウイングがその存在をアピールする。

客観的に見れば充分以上のパフォーマンスと装備を備えるA 35で申し分ないように思えるが、趣味のクルマとして捉えると「極めたい」という願望が頭をもたげてくる。

ハンドビルドのエンジンと421psというパワー、それを支える作り込まれたシャシー、ブレーキ性能を手にしたくなるのは当然の流れといえる。

306psのA 35で良しとするか、頂点を極めるA 45 Sを選ぶかは、最終的に自身の価値観に基づく判断になろうが、どちらを選んでも走りを存分に楽しめよう。筆者のチョイスとしては若い頃なら無条件にA 45 Sを選んだだろうが、歳を重ね様々なクルマを乗り継いだ今となっては、ややマイルドだが踏めば速いA 35でいいかなと考えている。

AMG A 35 4マティック・エディション1 スペック

価格:750万円
全長:4455mm
全幅:1800mm
全高:1410mm

最高速度:-
0-100km/h加速:-
燃費:12.2km/L(WLTCモード)
CO2排出量:-
車両重量:1570kg

メルセデスAMG A 35 4マティック・エディション1
メルセデスAMG A 35 4マティック・エディション1

パワートレイン:直列4気筒1991ccターボ
使用燃料:ガソリン
最高出力:306ps/5800-6100rpm
最大トルク:40.8kg-m/3000-4000rpm
ギアボックス:7速DCT
乗車定員:5名

記事に関わった人々

  • 上野和秀

    Kazuhide Ueno

    1955年生まれ。気が付けば干支6ラップ目に突入。ネコ・パブリッシングでスクーデリア編集長を務め、のちにカー・マガジン編集委員を担当。現在はフリーランスのモーター・ジャーナリスト/エディター。1950〜60年代のクラシック・フェラーリとアバルトが得意。個人的にもアバルトを常にガレージに収め、現在はフィアット・アバルトOT1300/124で遊んでいる。
  • 前田惠介

    Keisuke Maeda

    1962年生まれ。はじめて買ったクルマは、ジムニーSJ30F。自動車メーカーのカタログを撮影する会社に5年間勤務。スタジオ撮影のノウハウを会得後独立。自動車関連の撮影のほか、現在、湘南で地元密着型の写真館を営業中。今の愛車はスズキ・ジムニー(JB23)

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