【写真で振り返る】印象的なクルマのカラーリング ガルフ、マルティニ、レナウン、555
公開 : 2020.05.02 08:50 更新 : 2020.05.02 14:42
ル・マンを制したマツダ787B
マツダのグループCレースカー、787Bには特別な点がいくつもある。1991年のル・マン参戦車に施されていた鮮やかなカラーリングもその1つだ。服飾メーカーのレナウンによるそのカラーリングは、布地に見立てた緑とオレンジ色を白いステッチで縫い合わせたチェック柄を模したデザインだった。
幸運にも恵まれ、個性的なカラーリングのマツダ車は、1991年のル・マン24時間レースで総合優勝に輝いた。これによって緑とオレンジ色のカラースキムも世界中から注目を浴びた。日本車として初めてのル・マン制覇であり、ロータリー・エンジンを搭載した唯一のル・マン優勝車でもある。これを記念して、英国マツダは同じカラーリングを施した24台のMX-5を製作。優勝ドライバーの1人であるジョニー・ハーバートは1台ずつ、そのすべてにサインを書き入れた。
マクラーレンのマールボロ・カラー
F1でタバコの広告が禁止される以前、1974年から1996年のマクラーレンは最も印象的なカラーリングを採用していたチームの1つだった。モータースポーツに詳しくない人でも、シンプルな赤と白で大胆に塗り分けたカラーリングはすぐにそれとわかったはずだ。テレビが白黒からカラーに変わっていった時代、マクラーレンのマールボロ・カラーは完璧に際立っていた。
マクラーレンはマールボロと契約していた23年の間、カラーリングを大きく変えたことはほとんどなかった。しかし、1986年のポルトガル・グランプリでは、ケケ・ロズベルグのマシンが黄色と白を組み合わせたマールボロ・ライトのカラーで塗られたこともある。1980年代初頭にはアルフォ・ロメオのF1マシンもマールボロの赤と白を使用したが、マクラーレンとはレイアウトが異なっていた。
MGメトロ6R4のコンピュータビジョン
好戦的なMGメトロ6R4には、多くのユニークなカラーリングが施されていたが、それらの中でも最も記憶に残っているのは、青と白のコンピュータビジョン仕様だろう。これはMGブランドでラリー参戦を計画した当時のオースティン・ローバーが、6R4に多くのハイテク素材が使われていることをアピールするため、コンピュータ支援デザインという先駆的分野からスポンサーを見つけたと言われている。
このカラーリングと結びついて思い出されるのが、ドライバーのトニー・ポンドの活躍だ。ポンドは非常に才能豊かなラリードライバーで、1985年のスキップ・ブラウン・グウィネズ・ラリーではアウディ・クワトロを抑え、メトロ6R4に初優勝をもたらした。アウディ・クワトロは6R4の開発における着想の基となったクルマだった。