【貴重な成功物語】英国製カローラの故郷 トヨタ・バーナストン工場を訪問 前編
公開 : 2020.05.02 18:50 更新 : 2021.01.28 16:58
新型カローラに夢中
1997年、バーナストンではカリーナEに替えてアヴェンシスの生産を開始しているが、さらにその翌年にはカローラが加わり、2007年にオーリスへとバトンタッチしている。
2種類のモデルを生産する工場として20年を過ごした後、2018年、アヴェンシスがディスコンになったことで、バーナストンはふたたび1車種の専用工場へと戻っているが、幸いにもそれが功を奏することとなったのだ。
オーリスの後継モデルとして登場したとは言え、それが新型カローラの生産がバーナストンで行われるということを意味していたわけではなかった。
新型カローラが採用する新TNGAプラットフォームに対応するためのライン改修費用として2億4000万ポンドの投資行われることを受けて、2018年初頭、ようやくバーナストンでの生産が発表されている。
「新型カローラの生産を担当出来るようになったことは大きな喜びでした」とクロスビーは話す。
「カローラという名が復活すると聞いて非常に嬉しく思いました。この名前は単なる欧州モデルではなく、トヨタの重要なグロ―バルブランドだからです」
「これまでバーナストンで生産していた車両のなかには、確かに退屈なモデルもありましたが、新型カローラがこうした状況を完全に変えてくれました。工場スタッフはこのクルマに夢中です」
大きな喜び 大きなチャレンジ
「お客様が喜んでくれると分かっているモデルを生産するというのは素晴らしいことであり、こうした確信やプライドが非常に重要なのです」
新たなグローバル・プラットフォームをベースにした新型モデルの生産を担当出来るということは、大きな喜びであると同時に、「大掛かりなライン変更」は決して簡単ではなかったとクロスビーは言う。
「すでに新TNGAプラットフォームへの対応を行っていた他工場の情報から、これが難題であることは分かっていました」と、彼は話す。
「200台近くのロボットを追加するとともに、ボンネットはアルミニウム製、リアドアは樹脂製に変更され、超高強度鋼も導入されています。バンパー用樹脂の生産プラントには新たな塗装ラインを設置する必要がありました」
「すべてが非常に大掛かりな変化です。以前にも新たなロボットを導入したことはありますが、同時に200台というのは初めてでした」
こうしたロボットや新たな生産技術は可能なところから徐々に導入が進められている。
例えば、溶接工場のスタッフは、ロボット導入前にロボットを使った生産方法に関するトレーニングを受講する機会を与えられていた。