【数々の世界初】メルセデス・ベンツ 創業から120年 送り込んだ新技術 15選
公開 : 2020.05.11 18:50
自動ロールオーバー・バー:メルセデス・ベンツSLクラス(1989)
コンバーチブルは横転時の安全性が問題となり、規制の対象となっていた。これに対応すべく、ポルシェなどは911に半オープンとも言えるタルガ・ルーフを設定してきた。
メルセデスはR129型SLでこの問題に1つの答えを出した。
ウィンドスクリーンのピラーとともに車重を支えられる強度を持ったバーが、シート後方に隠されているのだ。
横転を検知すると0.3秒以内にバーが飛び出す仕組みになっている。これはルーフを閉じた際やハードトップが装着されていても作動する。
二重ガラス:メルセデス・ベンツSクラス(1991)
W140型Sクラスの重要な特徴として、防音ガラスの採用があげられる。
サイドウインドウに標準装備され、太いタイヤが発するロードノイズを低減するほか、結露も防止する。
しかし、重量増およびそれにともなう燃費の悪化に繋がることから、後に廃止された。
エレクトロニック・スタビリティ・コントロール:メルセデス・ベンツCL600(1995)
エレクロトニック・スタビリティ・コントロール(ESC)をはじめ、同様の名称がつけられたシステムは事故防止に大きな効果を発揮する。
このシステムは制御不能に陥ったことを検知し、各輪にブレーキをかけることでオーバーステアやアンダーステアに対応する。これを初めて搭載したのがメルセデスのCL600であった。
1997年には、スウェーデン行われたテストによって高速でのハンドリング性能に難があるとされたAクラスにも搭載されることになった。
このシステムの導入以降、ESCや類似システムは数えきれないほどの命を救ったと考えられている。米国では2012年から、欧州では2014年11月1日からこのシステムの搭載が義務付けられた。
ブレーキ・アシスト:メルセデス・ベンツSクラス(1996)
最新のブレーキとタイヤを装備した現代のクルマは、驚くほど素早く停止することができる。
しかし多くのドライバーは緊急時に十分な踏力をブレーキペダルに与えることができず、回避可能な場面での事故につながっている。
これに対応すべく、パニックブレーキを検知して自動的に最大の制動力を与えるシステムがTRWによって開発された。
メルセデスはこの技術を1998年以降全モデルに標準装備した。欧州では2009年以降の新車にこの装置が義務付けられている。