【初の水冷式だから手が届く】ポルシェ911(996型) 英国版中古車ガイド
公開 : 2020.04.30 10:20 更新 : 2021.07.12 18:46
不具合を起こしやすいポイント
エンジン
インターミディエイト・シャフト(IMS)のベアリングが不調だと、冷間時にカタカタという音を発する。エンジンオイルのにじみもその徴候。交換がまだならクラッチの整備時に、一緒のリフレッシュを検討したい。
シリンダーヘッドとライナーは、初期型の3.4Lユニットではヒビや割れが発生しやすい。クーラントにエンジンオイルが混ざっていないか確認する。シリンダー内もチェックしたい。リアのメインシールからオイルがにじむことがある。
フロントのラジエターとエアコン・コンデンサーが、腐食していないか確かめる。コイルの絶縁体に発生するヒビも確認ポイント。
トランスミッション
クラッチペダルが重い場合、クラッチの不具合の可能性が高い。ティプトロニックの場合、クーラントパイプのサビを確認する。
サスペンションとブレーキ
段差を超えた時にキシミやガタツキがある場合、コントロールアームの交換が必要。ブレーキの交換時期と、用いた部品が純正品なのかOE部品なのか、請求書などを見て確認したい。
タイヤの偏摩耗が目立つなら、アライメント調整を試したい。
ボディ
ドアのラッチを除いて、目に見える部分の腐食やサビは、事故の修復に関係していることが多い。ボディパネルの隙間が均一かも確かめる。
ボディの下側も除いて、構造的な部分にぶつけた跡がないか目視する。ヘッドライト内部は、結露で腐食が進むことがある。オートスポイラーの上下動も確かめる。
インテリア
パネルやスイッチから、キシミやカタカタという音は出がち。警告灯が正常に灯るかどうか、エアコンからの冷風の確認も忘れずに。
専門家の意見を聞いてみる
マット・グーダ モーティマーズ代表
「996型を買うなら早い方が良いでしょう。価格は上昇し始めています。1年前より、状態の良いクルマの価格は間違いなく高くなっています」
「空冷式のポルシェは、もはや手の届かない金額です。996型なら、まだそんな事はありません。ターボを除いて。ただし、ターボの価格はピークにあるようにも思います」
「探せばポルシェ・ディーラーでの整備記録が揃った、綺麗な996を見つけることも可能です。ディーラーと専門ショップとで整備が混ざっていても、問題はないと思います」
知っておくべきこと
996型は他の911と比べれば安価だが、修理費用は安くない。ポルシェの専門ショップで、しっかり点検整備を受けたクルマを購入する方が懸命。