【4代目ゴルフの長所も受け継ぐ】VWニュービートル 英国版中古車ガイド
公開 : 2020.05.01 10:20 更新 : 2021.07.12 18:46
大きな話題を集めたフォルクスワーゲン・ニュービートル。基本的にはキュートでレトロなデザインをまとった、4代目ゴルフといえるクルマです。信頼性だけでなく、注意を払うべきポイントも、ゴルフから受け継いでいます。
もくじ
ーRSiというスポーティ・モデルも存在した
ー4代目ゴルフの優れた品質を受け継ぐ
ー不具合を起こしやすいポイント
ー専門家の意見を聞いてみる
ー知っておくべきこと
ーいくら払うべき?
ー英国で掘り出し物を発見
RSiというスポーティ・モデルも存在した
筆者が気になる、4代目ゴルフR32の双子として開発されたニュービートルRSiは、期待以上のヒット作となった。2001年の登場で、台数は250台の限定。日本へ導入されたのは45台だという。
おかげで現在の英国価格は、4万ポンド(540万円)をくだらない。ゴルフ4をベースに、3.2LのV6エンジンとハルデックスカップリングを採用した四輪駆動を搭載。最高出力は224psを発揮した。
RSiのダッシュボードには、ニュービートルの特徴でもあった小さな一輪挿しが付かない。中古車市場で豊富に流通する普通のニュービートルだが、もちろん、気にすべきは花瓶の有無ではない。
ニュービートルは、多くの人を笑顔にしてくれる。エンジンは信頼性が高く、充分に魅力的だ。
オリジナルとなった、空冷のリアエンジン・モデルと区別するため、フォルクスワーゲンは1998年に登場したモデルをニュービートルと呼んだ。初代を継いで登場した2代目は、2011年まで生産されている。
ボディはすべて2ドア。リアシートは折りたたみ式で、少し大きな荷物も積み込める。前席は、頭上空間も充分に広い。
ニュービートルの登場当初は、すべてが左ハンドル車だった。右ハンドル車が登場したのは1999年。エンジンはすべて2.0Lのガソリンで、115psを発揮した。
追って102psの1.6Lが追加となり、しばらくしてスポーティな170psの2.3Lと、150psの1.8Tも登場している。欧州仕様では、101psの1.9Lディーゼルも用意されていた。
4代目ゴルフの優れた品質を受け継ぐ
斬新に感じられたニュービートルに市民が見慣れた頃、2003年にスタイリッシュなカブリオレが登場。エンジンは1.6Lと2.0Lのガソリンが選べた。欧州では75psの1.4Lガソリンも追加となっている。
2005年にフェイスリフト。ホイールアーチのラインがシャープになり、ヘッドライトもデザインが新しくなっている。
中古車売買のウェブサイトを見ると、フォルクスワーゲン・ニュービートルの画像が愛らしい。実際より少し写りも良いようだ。
多くのクルマのインテリアは、年式の割には状態が良く見える。下半分が明るく、上半分が暗い2トーンカラーのダッシュボードやドアパネルのおかげで、車内も明るい。
販売店の話では、4代目ゴルフの優れた品質を、ニュービートルも受け継いでいるという。確かに、スイッチ類の作りはしっかりしているし、内装パネルがガタガタいったりもしない。
シートの座り心地も良い。明るいファブリックは、ジーンズのネイビーが移ってしまうけれど。
英国の中古車を探してみたが、走行距離が最も長かったのは、32万kmも走った1.9Lのディーゼル。英国では走行距離が長いことが珍しくないが、ほとんどのクルマが16万km以上走っているようだ。
リアシートの折りたたみ機能は標準装備。上位グレードにはアルミホイールやオートエアコン、ヒーター付きのレザーシートが付いてきた。
インテリアの一輪挿しに、花を添えるのを恥ずかしく感じる人は、ニュービートルに向かないかもしれない。多少目立っても構わないのなら、人とは違った4代目ゴルフの兄弟モデルとして、検討する価値はある。