【CX-30とどちらがお好み?】マツダ3 2.0(3) 長期テスト 共通点と相違点

公開 : 2020.05.03 11:50

魅惑的な美しいデザインが与えられたハッチバック、マツダ3。歩道を往く人からの注目度も低くはありません。搭載するスカイアクティブ-Xの実力は、マツダが主張する通りなのか、英国編集部が長期テストで確認していきます。

積算7578km 見やすく機能的なメーター

text:Lawrence Allan(ローレンス・アラン)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
英国では、マツダ3はクルマ好きだけでなく、数字にうるさい人への支持も高いようだ。とても鮮明で可読性の高い、メーターパネルなどにもそれが表れている。水温計もちゃんと付いていて、残りの航続距離も教えてくれる。

残り32kmを切ると、タンクが空になるまでの距離をカウントダウンしてくれる。燃費を気にして、燃料計を見ながら給油のタイミングを図っている筆者にはぴったりだ。

マツダ3 2.0 180PS GTスポーツ(英国仕様)
マツダ3 2.0 180PS GTスポーツ(英国仕様)

積算9622km クロスオーバーのCX-30と比較

これまでニッチモデルとされてきた、クロスオーバーの拡大が止まらない。多くのメーカーで、背の低い通常モデルと同サイズのクロスオーバーが共存している。1ブランド内に、複数台あることすら珍しくない。

その例に漏れず、マツダは3と同等のサイズと価格を備えた、クロスオーバーのCX-30を発表した。今回は1週間ほど借りて、長期テストのマツダ3と比較することにした。きっと何か発見があるはずだ。

マツダ3と並んだクロスオーバーのCX-30(英国仕様)
マツダ3と並んだクロスオーバーのCX-30(英国仕様)

3とCX-30とでプラットフォームを共有する事実を、マツダは頑張って隠そうとはしていない。特にデザインでは、共通性を感じることは明らか。

クロスオーバーの方は、ハッチバックのクリーンでエレガントなプロポーションのかわりに、塊感のあるボリュームを得ている。プラスティック製のフェンダーカバーや、背の高いプロポーションがそれを強めている。

狭い後部座席と柔らかいスプリング

通常クロスオーバーを作る場合、若干ボディサイズは拡大されることが多い。一方でCX-30の場合、3より全長が70mmほど短い点が興味深い。

マツダは、短い全長と高いドライビングポジションで、市街地の運転がしやすいと主張している。それは筆者も同意する。反面、当然ながら後部座席の空間は狭くなっている。

マツダ3と並んだクロスオーバーのCX-30(英国仕様)
マツダ3と並んだクロスオーバーのCX-30(英国仕様)

もともと後部座席は、3でもゆとりがあるわけではない。CX-30では、膝周りの前後方向で明確に狭くなっており、180cmの身重の大人が座ると押し込められた感じがしてしまう。

インテリア周りはマツダ3とほぼ同一。スマートな設計で、直感的に操作できる。車内に座っている限り、背の高いクロスオーバーに乗っていると実感することはないだろう。運転席からの眺めが、30mmくらい高いことを除いて。

メカニズムも同様。英国では、どちらのクルマも180psのスカイアクティブ-Xと呼ばれるガソリンエンジンを搭載する。前輪駆動と四輪駆動を選べる点も変わらない。

車重は前輪駆動の場合は57kgの増加となっているが、大きな違いではなく、パフォーマンス的にもほぼ同格。試乗車のCX-30は四輪駆動だったが、1週間試乗した燃費も、長期テスト車の前輪駆動の3と変わらなかった。

だが2台には、動的性能で明確な違いもある。通常、車高を上げたことで高まる重心位置に対応するため、クロスオーバーの場合は足回りを引き締める場合が多い。一方のマツダは、CX-30のスプリングレートを柔らかくしているようだ。

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