内装　★★★★★★☆☆☆☆

グランドランドXは、4人家族にそれなりの快適さを提供する。だがその広さは、日産キャシュカイのような中型クロスオーバーハッチバックのアベレージといった程度だ。

これを同価格帯でやや大きいSUV、たとえばPHEVの先駆者であるアウトランダーや、PHEV版を準備中のトヨタRAV4あたりと比較するなら、実用性の不足は明らか。居住空間は、大ぶりな5ドアハッチバックと大差ない。

荷室容量は、ハイブリッド4ではほかの仕様より目減りして400Lを切る。Cセグメントの平均的なハッチバックと同等だ。新設計のリアアクスルと電気モーターを積むために、フロア下の積載スペースが失われたことは実に残念だ。そこに汚れた充電ケーブルを収められたら、非常に便利だっただろうに。

広さが売りにはならないインテリアだが、スタイルやリッチさも訴求ポイントにはならない。主な成型パーツはダークな色合いでプレーン。また、大部分は手触りがハードだ。

4万ポンド（約560万円）を超えるクルマでありながら、同じ価格帯にあるプレミアムブランドのモデルに乗るユーザーの期待に応えられるレベルにはない。中型ハッチバックに代わる社用車としては、さほど不満のないものだろうが、それでも上に述べたすべての欠点に目をつぶれるというわけではない。

しかも、5万ポンド（約700万円）近い仕様のテスト車でも、この価格から予想される先進技術の多くは備わらない。たとえば、表示が変更できるフルデジタルメーターやヘッドアップディスプレイなどは用意されていない。

それでも、計器盤に設置された小さなカラー画面は、8.0インチのセンターディスプレイを持つインフォテイメントシステムと協調して、走行モードや出力マネージメントのセッティングを容易なものにしてくれる。

走行モードの選択は、シフトセレクターの左横に並んだトグルスイッチで行う。右ハンドル車では位置を右側に移したほうがアクセスしやすいに違いないが、それをやらないあたりにヴォグゾールがPSAグループ入りしたことを思い知らされる。

画像　ヴォグゾール・グランドランドX とライバル　全7枚