走り　★★★★★★★☆☆☆

低いギアでの加速は素早く、うれしくなるくらい活発。だが、グランドランドXハイブリッド4の真価は、市街地を流したり、ひどい渋滞にハマったりしたときにこそ発揮される。

そういうときのレスポンスや洗練性、運転しやすさ、快適性はなかなかのものだ。ところが、より高いパフォーマンスを求めると、パワートレインの安心感や説得力は低くなる。

走りはじめは、0-97km/h＝5.9秒というメーカー発表値が正しいと信じられる。スポーツモードを選べばエンジンが常に回り、最初から3つの動力源をフルに使える。

ゼロ発進は驚くほど勢いがあるというものではないが、数mで力強さがわかる。ほんの束の間、そしてある程度までという条件付きではあるが、非凡な走りを見せてくれるのだ。

ほかのハイブリッドではあまりないことだが、飛ばしていてもいなくても、8速トランスミッションは、ギアチェンジしているのが感じ取れる。しかも、思い通りに変速したいと思ったら、シフトパドルでのマニュアル操作も可能だ。

変速はちょっと遅いが、少なくとも好きなギアを選ぶことはできる。正確無比とはいかないまでも、十分に効果的なメカニズムだ。

しかしながら、残念な点もある。自動変速での急加速を望むと、ギアボックスの動きはぎこちなく、選択にまごついている印象を覚える。また、ペダルの大きな踏み込みに対する反応はかなり遅れる。小さな入力には、電気モーターが迅速に応えるのだが。

ブレーキペダルのプログレッシブさやフィールは、日常使いならば十分なもの。しかし、タイトで精密なコントロールや安心感を覚える予測のしやすさといったものは備えていない。この手のクルマの多くと同じく、そこはパフォーマンスカー並みとはいかなかった。

画像　ヴォグゾール・グランドランドX とライバル　全7枚