【勝利のカギはバランスにあり?】スーパーミニEV対決 プジョーe-208 vs ミニ・エレクトリック vs ルノー・ゾエ 前編

公開 : 2020.05.29 21:00

回生ブレーキにも違い スピード感が麻痺

ゼロ発進では、そのパワフルな電気モーターが見事な加速を見せ、他のEV同様、およそ80km/hまでであれば瞬間的に発生するトルクによって、ゾエはウォームハッチとでも呼ぶべき俊足ぶりを発揮する。

一方、回生ブレーキを使ったバッテリー充電は3台のなかでもっとも控え目なセッティングであり、例えBモードを選択しても、実質的にアクセルペダルだけでのワンペダル運転が可能なe-208やミニほどのブレーキング効果を発揮してはくれない。

アップデートを受けたゾエには見事なTFTスクリーンが与えられている。
アップデートを受けたゾエには見事なTFTスクリーンが与えられている。

なお、回生ブレーキの強度調節に関しては、単にシフトレバーでBをセレクトするだけのプジョールノーに比べ、ダッシュボード上に設置されたトグルスイッチを操作する必要のあるミニはやや扱い辛いと言えるだろう。

以前よりもパワーアップしたモーターを積むゾエだが、1502kgという車重が災いして加速性能ではプジョーに及ばなかった。

一方、e-208はその高い洗練性がスピード感を麻痺させており、スペックほどの速さだとは感じられないが、モードをスポーツに切り替えると、スロットルに重みが増しレスポンスが向上するとともに、最高速が150km/hまで引き上げられるこのクルマは一気呵成の加速を見せる。

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ヒュンダイ・コナ・エレクトリック(2019年)

今回の3台と同じくらいの予算が準備出来るのであれば、ほぼ新車と言えるヒュンダイ・コナ・エレクトリックを手に入れることも可能だ。

その64kWhという十分なバッテリー容量によって、このクルマは今回ご紹介するなかで圧倒的に優れた449kmという航続可能距離を確保している。

ヒュンダイ・コナ・エレクトリック(2019年)
ヒュンダイ・コナ・エレクトリック(2019年)

さらに、その力強いパフォーマンスと完ぺきなドライビングポジション、そして十分な装備によって運転しても素晴らしいモデルになっている。

テスラモデルS(2014年)

やや古く、さらに走行距離は9万7000kmほどに達しているが、この価格で流行りのテスラを手に入れられるのであれば、多くがお買い得だと思うだろう。

6バッテリー容量は60kWhしか選べないが、その航続可能距離は335kmに達すると言われている。

それでも、信頼性が問題となるかも知れない…

BMW i3 120AH(2019年)

約2万6000ポンド(345万円)で手に入れることの出来るユーズドのBMW i3であれば、新車のミニ・エレクトリックの見事な対抗馬となるだろう。

2019年モデルであれば、42.2kWhに容量を拡大したバッテリーによってミニ同等の航続可能距離を確保しており、リアドアまで備えたi3であれば、実用性でややミニを上回るだけでなく、いつでも急速充電が可能だ。

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