【見通せる確かな仕上がり】BMW 4シリーズ・プロトタイプ ドイツで試乗 後編
公開 : 2020.05.05 10:20
430iの好印象な緊張感と漸進性
これは3シリーズにも搭載されるものだが、ダンパーが収縮しているときは圧力を高め減衰力を強くし、伸長時にも漸進的に変化させるもの。加えてメインスプリングと補助スプリング、油圧バンプストップを備える。
「ホイールコントロールが改善され、限界が高くなります」 とジョスは説明する。またBMWは、オプションのMスポーツ・パッケージには、アダプティブ・ダンパーも用意するという。
後輪駆動の430iのハンドリングには、好印象な緊張感と漸進性がある。フラットで自然な挙動のまま、コーナリングをこなしてくれる。限界を迎えるまで、充分な情報も伝わってくる。
3ステージで変化する、ダイナミック・スタビリティ・コントロール(DSC)も搭載。最も自由度の高いモードを選択すれば、シャシーの備える懐の深さを確かめることも可能だ。
四輪駆動となるM440iでは、グリップ力が相対的に高まる。コーナリング時の速度をさらに引き上げてくれるうえ、フィーリングが淡白になることなく、安全性も担保される。
今回試乗したセットアップでは、M440iにアダプティブ・ダンパーの組み合わせが秀でていた。同時にリフト・リレーテッド・ダンパーを備えた430iも、コンフォートモードでとても滑らかな乗り心地を得ている。
乗り心地はかなり硬い。330iと比べると明確に。リバウンドの動作はとても良く調整され、補強されたボディ構造が、路面からの突き上げをうまく吸収してくれるけれど。
プロトタイプの印象はとてもポジティブ
2+2のシートレイアウトを持つインテリアは、大きなカバーが掛けられた状態だった。新しいBMW 4シリーズを完全に確かめるには、もう少し待つ必要はある。少なくとも、プロトタイプの印象はとてもポジティブなものだった。
ボディサイズは若干大きくなったものの、運転席に座った印象では、少しコンパクトに感じられたことも記したい。ドライバーへの訴求力も、磨き込まれている。
BMWは、従来モデルに向けられてきた意見へ耳を傾けていた。実際的なステアリングフィールや、ドライバーとの一体感は大きく改められるだろう。かつては、高性能なMモデルのみに与えられていたような、高度なエンジニアリングも投入されている。
ジョスが話すとおり。新しい4シリーズ・クーペが、より確かな仕上がりを得ることは、間違いなさそうだ。
BMW 430iクーペ・プロトタイプのスペック
価格:4万2000ポンド(567万円・予想)
全長:−
全幅:−
全高:−
最高速度:249km/h(予想)
0-100km/h加速:5.5秒(予想)
燃費:13.7-14.6km/L(予想)
CO2排出量:154-158g/km(予想)
乾燥重量:−
パワートレイン:直列4気筒1998ccターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:258ps/5000-6000rpm
最大トルク:40.7kg-m/1640-5000rpm
ギアボックス:8速オートマティック