【なぜ?】トヨタ・ヤリス・クロスとハリアー、話題性に大差 「ねらい」に大きな違い
公開 : 2020.05.01 05:50 更新 : 2021.02.02 10:28
ともにネット上で発表された、トヨタの2台のニューモデル、ヤリス・クロスとハリアー。日本での注目度に大きな開きがあるように思えます。それぞれの商品性やターゲットとする地域の違いが差を生んでいるようです。
ほぼ同時期のネット発表でも「差」
ともにネット上で発表された、トヨタの2台のニューモデル、ヤリス・クロスとハリアー。
日本でのニュースバリューに大きな開きがあるように思える。
今年(2020年)4月13日、新型ハリアーが発表(6月発売予定)され、発表時点では未公開の価格予測やレクサスRXとの商品比較など、ネット上ではハリアー関連のニュースが一気に増えた。
ハリアーのボディ寸法は、全長4740mm×全幅1855mm×全高1660mm、ホイールベースが2690mm。2LガソリンエンジンにはFFとダイナミックトルクコントロールの4WD、また2.5LハイブリッドではFFと後輪をモーター駆動するE-Fourを搭載する。
スペックからもわかるように、2018年末からアメリカで、日本では2019年4月から発売されている5代目RAV4と、次世代車体のTNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)プラットフォームGA-Kを共有化する。
こうした、事実上のRAV4派生車でありながら、オフロード性能を高めたRAV4に対して、都会派ラグジュアリー系のハリアーに対する市場の関心はとても高い。
背景には、一部アジア向けを除いて「ほぼ日本専用車」という、日本人好みを徹底追及したモデルであることが考えられる。
一方、4月23日発表のヤリス・クロスについては、現時点でハリアーに比べ関連ニュースが少ない印象がある。
なぜか?
相手が日本か? それとも欧州か?
ヤリス・クロスは、その名の通りヤリスの派生車だ。
ボディ寸法は、全長4180mm×全幅1765mm×全高1560mm、ホイールベースは2560mm。1.5L直列3気筒ガソリンエンジン車はFFと4WD。
リダクション機構付きハイブリッド車はFFとE-Fourがある。ヤリスとTNGAプラットフォームGA-Bと共用する。
このように、ハリアーもヤリス・クロスも「派生車」なのだが、2モデルは商品性に違いがある。むろん価格帯やターゲットユーザーは違うが、別の意味で違いがある。
その違いとは、主要な仕向け地だ。
前述のように、ハリアーは「ほぼ日本専用車」。一方のヤリス・クロスの主戦場は欧州である。
それを裏付けるのは、お披露目の場所だ。
本来、ヤリス・クロスは、スイス・ジュネーブモーターショー(一般公開2020年3月5日~15日)にデビューする予定だった。
新型コロナウイルス感染の拡大の影響で開幕直前にショーは中止となった。
欧州メーカー各社は、急遽行われたジュネーブショーのバーチャルプレスデーで新車を発表したが、トヨタはヤリス・クロスの詳細発表を1か月以上遅らせたことになる。
発売時期は、日本は2020年秋、欧州では2021年半ばの予定としているが、トヨタとしては欧州市場での販売に対する期待が高いはずだ。