【詳細データテスト】 ジャガーFタイプ V8の延命は大歓迎 FRならなおよし
公開 : 2020.05.09 11:50 更新 : 2021.02.19 04:33
意匠と技術 ★★★★★★★★★☆
Fタイプの改良にあたり、主にコストをかけたであろう箇所はすぐわかる。鋭い目つきの新たなルックスは、ヴィジュアル的なアピールを実に効果的に塗り替えた。
バンパーやグリル、ヘッドライトはもちろん、ボンネットの形状も刷新された。さらにテールライトやホイールも新デザインで、ボディカラーのリストも更新された。
エンジンラインナップはこれまでにも多くの見直しが図られてきており、直接的なライバル勢と比べてかなり幅広い選択肢が用意されている。ただし、やや関連性の薄いバリエーションではあるのだが。
ジャガーは、2017年に300psの2.0L直4ガソリンターボを追加。その前年には、トップグレードのSVRに4WDを導入し、その後は四輪駆動の設定範囲を拡大している。
しかし、今回のアップデートでは、少なくとも欧州市場に関する限り、V6スーパーチャージャーを順次廃止。代わって、モデルレンジ中盤の穴を埋めるべく、5.0Lで450psを発生するV8の低出力版を用意した。
四輪駆動は、このP450と銘打たれた中間グレードではオプション。最上位機種にして、今回のテスト対象である575psのP575 FタイプRには標準採用となる。なお、4気筒を積むエントリーモデルのP300は後輪駆動のみだ。全車に共通するのは、ZF製の8速ATを搭載する点である。
サスペンションなどメカニズムの改修が、もっとも多岐に渡るのはFタイプRだ。前任グレードよりワイドな20インチのアルミホイールを装着し、リアアクスルのハブナックルやボールジョイントを一新。アダプティブダンパーやスプリング、スタビライザーも新開発品となった。
トランスミッションの電子制御系は、ジャガーのスーパーセダンであるXE SVプロジェクト8と同じもので、よりクイックなパドル変速を可能にするという。エンジンのパワーとトルクは、改良以前のRが積むV8よりわずかながらアップしている。