【英国御用達のSUVを安価に】2代目レンジローバー P38型 英国版中古車ガイド
公開 : 2020.05.13 10:20 更新 : 2021.07.12 18:46
不具合を起こしやすいポイント
エンジン
ガソリンエンジンの場合、ラジエタークーラントの量を確かめる。スチール製のシリンダライナーがアルミ製ブロックを腐食させ、クーラントが燃焼室に漏れる場合がある。14万5000kmほどの距離を走ると起きる症例で、修理は高く付く。
アイドリング時のオーバーヒートや、エンジンオイル内に滲み出たクーラントがないかも確認する。
ディーゼルエンジンの場合、冷間時は始動性が悪い場合がある。グロープラグの劣化や電気系統の不調、燃料ポンプの不具合などが原因となる。
トランスミッション
マニュアル車の場合、3速から2速へシフトダウンする際、違和感がないか確かめたい。クラッチの磨耗具合や、ローレンジ・ギアの動作もテストしておく。
サスペンションとホイール
走行中の振動は、ドライブシャフトやジョイント、ベアリングなどの劣化が原因の場合もあるが、単にホイールバランスの狂いでも起きる。
エアサスペンションではエア漏れが起きがち。エアポンプが長時間回りっぱなしとなる。しっかり直さないと故障を繰り返すので、エア漏れのチェックは重要。
ステアリングとブレーキ
感触の悪いステアリングは、パワーステアリング・ポンプやボールジョイントの劣化を疑う。
強くブレーキを踏んだ際の振動は、ディスクの磨耗だけでなく、フロントダンパーやステアリング系の劣化でも起きる。リアのブレーキパイプが腐食していないかも確かめたい。
ボディ
オフロード走行でボディ底面を強打していないか、リアのホイールアーチがサビていないかを観察する。ホイールハウス裏側へ、シール不良で水が侵入することがある。車内へ水が侵入すると、電気系統の不調へつながる。
インテリア
エアコンも含め、すべての機器類が正常に動くかを確かめる。
専門家の意見を聞いてみる
トニー・フーパー ヘリフォード4×4 チーフメカニック
「ボディやトランスミッション、シャシー、ドライブトレインなど、P38のメカニズムはかなり優れているといえるでしょう。問題となるのは、ガソリンエンジンで起きるクーラント漏れです」
「エアサスペンションの不具合も起きがちで、治らない場合もあります。また電気系統も。運転席の下に組み込まれた、ボディ・コントロール・モジュールを介してすべてが制御されています。水がモジュールへ侵入すると、故障を招く恐れもあります」
「調子が良くても、ある日突然途方に暮れる、ということも起きがちです。電気系統の不具合は、定期的なオイル交換など、整備履歴とは関係ないことも珍しくありません。P38シリーズが、予期しない失望を招く可能性も否定はできないのです」