【民主主義より専制主義?】元F1世界の独裁者 バーニー・エクレストンにインタビュー 後編
公開 : 2020.06.14 18:50
興味深い答え フェラーリは永遠
例えF1を通してこの90歳近い人物が変化をどう感じているかを知るだけになったとしても、より幅広い世界に対するエクレストンの見方についても質問すべきだろう。
それでもその答えは非常に興味深いものだった…
AC:テスラがフェラーリよりも偉大なブランドだなどと言ったらどうお思いになりますか?
BE:いずれテスラの名など忘れ去られてしまいますが、フェラーリは永遠です。
AC:何故でしょう?
BE:他にもEVを創り出すメーカーなど登場するからです。現時点ではトップに立っていますが、直ぐに特別な存在ではなくなります。
AC:それでも、わたしのこども達はフェラーリよりもテスラに興味を持っています。
BE:では、テスラのブランドとはなんでしょう? テスラとは何で知られているのですか?
AC:その先進的な技術です。
BE:ひとびとはそれを気にするでしょうか?
AC:いまはそうです。
BE:ですが、ひとびとが本当に気にしているのは、テスラのブランドではなく、彼らのモデルがEVだということです。テスラのブランド力が永遠に続くことはありません。
専制政治を信奉 功績を残すのは独裁者
AC:では、イーロン・マスクをどう思いますか?
BE:素晴らしいと思います。見事な結果を出しています。本当に勇敢な人物です。テスラが無くなってしまうと思われた時もありました。彼はそれを防いだのです。必要なことをやる準備が出来ていました。わたしは民主主義を信じていません。専制政治を信奉しています。彼は独裁者であり、だからこそ上手く行っているのです。数々の功績を残してきたのは独裁者であり民主主義ではありません。
AC:バーニー・エクレストンに逆らったひとびとはどうなるのでしょうか?
BE:(笑)彼らに何が起こるのかということですか?
AC:その通りです…
BE:(含み笑い)花を贈ります… 墓に置いて行くのです。冗談です。これまで問題などありませんでした。わたしにとって腹立たしいのは、近しいひとびとを傷つけられることです。
つまり、エクレストンは愛情深い人物ということなのかも知れない。
だが、当初1時間の予定がすでに2時間を経過しており、迷惑そうな様子などおくびにも出さないが、これ以上インタビューを続けるわけにはいかないだろう。
そろそろ最後の質問に移ろう。
功績などない 油断ならない最高の相手
AC:ご自身の功績とは何でしょう?
BE:功績などありません。
AC:もしご自身で上げるのが難しいようであれば、われわれで選ばせて頂きたいと思いますが。
BE:正直なところ関心がないのです。時が来れば、この世に別れを告げるだけです。
AC:ご自身をどんな人間だと思いますか?
BE:公正な人間だと思いたいですね。
AC:それでもあなたのご友人も付き合いづらい人間だと仰っていますが…
BE:そんなことはありません。以前同じことを考えたことがありますが、戦時中、学校でケーキを売ったり、それからもさまざまなものを売買しましたが、これまで行ってきたあらゆる取引で、すべてのひとびとが満足したのですから、これ以上公正なことなどあるでしょうか?
AC:何か後悔はありますか?
BE:たったひとつだけあります。
AC:何でしょう?
BE:2008年、タブロイド紙のスキャンダルでマックス・モズレーがもっとも助けを必要としていた時に、なにも出来なかったことです。その後、あまりにも多くのひとびとが彼はFIA会長に相応しくないと言いました。公に彼をサポートすることが十分に出来ませんでした。謝罪しましたが、その後しばらくは関係が上手く行きませんでした。
AC:彼は許してくれましたか?
BE:マックスもわたしには選択肢がほとんどなかったことを理解していたと思います。ですが、あれは個人的な問題であり公にされるべきではありませんでした。
AC:F1に復帰する可能性はありますか?
BE:わたしがですか? ありません。その理由がありませんから。わたしは排除されましたが、もう済んだことであり、戻る理由など何もありません。
バーナード・チャールズ・エクレストン。
まったく油断ならない人物だが、これまでで最高のインタビュー相手だった。