【英国の新車販売は急減】1946年以来の最低を記録 新型コロナウイルスの影響 どこまで拡がる?
公開 : 2020.05.16 18:50
自動車業界の苦境は続く
英国政府は外出制限の緩和に向かうようだが、自動車産業への影響はさらに続きそうだ。
SMMTでは2020年の新車販売予想を168万台へと下方修正しており、これは1992年以来最低となるだけでなく、2019年からは27%の減少を意味している。
自動車業界では外出制限の緩和後、ふたたび営業再開を許可される最初のグループに自動車ディーラーを含めるよう政府に求めており、個人リース契約の期間満了が迫ったドライバーの累積需要が、早期の販売台数増に結び付くことを期待している。
「力強い新車市場は健全な経済を下支えするものであり、英国が経済回復へと向かうなか、自動車ディーラーはその先頭に立つ必要がある」と、ホーズは話す。
英国内外での新車需要の創出は、自動車生産をふたたび回復させるためにも重要だ。
欧州全域で車両生産がふたたび開始されるなか、英国でも先週ロールス・ロイスが他社に先駆けて工場を再開しており、今週はベントレーとアストン マーティンがその後に続いている。
だが、こうしたメーカーは比較的小規模な生産ラインとバックオーダーを抱えたプレミアムブランドであり、日産では少なくとも6月までサンダーランド工場を再開させる予定がないことを発表するなど、英国の主要な自動車工場は依然として閉鎖されたままだ。
巨大な自動車工場内でもひととひととの距離を保つソーシャルディスタンシングなどの感染防止策を導入する必要があることと、新車需要の急減がこうした決断の背景となっている。
中国市場には明るい兆し
最初に新型コロナウイルス感染拡大が広がるとともに、厳しい外出制限を課した一方で、中国はいち早くこうした状況から脱した国となっている。
さらに、この国の新車市場は単なる回復に留まらない成長軌道を示し始めている。
もっとも厳しい外出制限が行われていた今年2月、中国の新車販売台数は対前年同期比で79%も減少している。
だが、2019年比では依然として1/3のレベルに留まるものの、制限緩和に伴い3月には427%もの回復を見せている。
さらには、ボルボの中国市場における販売台数が対前年同期比で20.8%も増加するなど、4月に入って中国新車市場は本格的な成長を始めたようだ。