【eニスモ、誕生は?】マスタング・マッハEのハイパフォーマンス推し 日産アリアは一方で……

公開 : 2020.05.16 05:50  更新 : 2021.03.05 18:51

日産アリア「eニスモ」、誕生するか

リーフ・ニスモは、エクステリアとインテリアがスポーティ性が増し、モーターなど動力系はノーマルリーフを継承し出力特性などをアレンジ。イメージとしてはライトチューニングだ。

大手メーカー量産EVとして先行したリーフには、エコロジー(環境対応)とエコノミー(維持費の安さ)が商品としての主体であり、パフォーマンス性を主張するには限度があるのは致し方ない。

日産アリア・コンセプト。東京モーターショー2019で発表された。
日産アリア・コンセプト。東京モーターショー2019で発表された。

一方で、マスタングというブランドから派生したEV戦略が、マッハEにおける超ハイパフォーマンス系SUV(クロスオーバー)だ。

それを可能としたのがeAWDの存在だ。

アリアでも、日産版eAWDである「e-4ORCE(イー・フォース)」搭載が確実な情勢。

だが、これまでのところ、e-4ORCEを活用した超ハイパフォーマンスニスモ計画に関する情報は社外に漏れてこない。

仮に実現すれば、それはまさに、eニスモという立ち位置になろう。

日産はこれまで、ハイパフォーマンス系EVの初代リーフRCと2代目リーフRC2という、2ドアレーシングカーを制作した。

仮想「アリアeニスモ」では、e-4ORCEのよってこれら2モデルを超える動力性能を持つハイパフォーマンス量産車として世に出る可能性は十分にあるはずだ。

なぜならば、プレミアムSUV・EV市場が今後、世界各地でさらに拡大する可能性があるからだ。

コロナ後どのようにEVに集中するか

新型コロナウイルス感染拡大の影響は、自動車業界が当初想定していた以上に大きい。

トヨタは5月12日に行った決算発表で、2021年3月期の予測を発表。連結販売台数が約2割減の700万台、営業利益は実に8割減を想定した。

こうした中、トヨタは今後の事業において「やめること、変えること、これからも続けていくこと」を明確にするという。

日産も直近の2020年度第3四半期の決算発表の時点で、今後の事業に対する「選択と集中」を目指すとした。

が、その後の新型コロナウイルス感染拡大の影響はトヨタ同様に大きいことが十分に予測できる。

そうなれば、事業の「選択と集中」をさらに厳しく行うのは当然だ。

2010年の初代リーフ発売以来、大手メーカーとしてEV業界をリードしてきた日産。厳しい経営環境にあるからこそ、EVではさらなる深堀り、すなわちeニスモという本格的ハイパフォーマンス戦略に打って出るできではないだろうか。

2008年のリーマンショックからの経済回復期、欧米で最初に売上が戻った自動車セグメントがプレミアム系だった。

コロナ後には、プレミアム&ハイパフォーマンス系EVが躍進するのかもしれない。

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