【生き残るのはどのメーカー?】決算発表 トヨタ/ホンダ/マツダに「差」 コロナ後どう見据える

公開 : 2020.05.17 05:50  更新 : 2020.05.17 13:56

マツダ グローバルの打撃、極めて大

今年1月、創立100周年を迎えたマツダ。

2021年3月期の見通しについては、ホンダと同じく未定とした。

マツダの決算実績の総括(2020年3月期)
マツダの決算実績の総括(2020年3月期)    マツダ

「新型コロナウイルスの感染拡大により先行き不透明な事業環境か継続する見通し」

「引き続き、業績への影響について慎重な見極めが必要」

「今後、業績予想の開示が可能となった時点で速やかに公表」という、但し書きを添えた。

2020年3月期実績では、グローバル販売台数が9%減の141万9000台。

仕向けとして、北米、欧州、日本が三本柱であり、2月以降の中国市場全体の縮小の影響がトヨタやホンダと比べて少なかったともいえる。

一方、直近2020年4月単月でみると、グローバルでの打撃は極めて大きいことがわかる。

販売台数は
北米:前年同月比54%減
欧州:80%減
東南アジアなどその他の市場:78%減
という深刻な状況だ。

日本は26%減だった。

2019年は、マツダ第7世代である「マツダ3」と「CX-30」や、新型エンジンスカイアクティブXの投入でグローバル市場各地域でブランド価値の向上を狙ってきた。

2020年以降は、「CXシリーズ」拡充が進むだろう。

その背景として、2020年3月期では、グローバル販売で、乗用車系48%に対してクロスオーバーSUVが52%となり、初めて50%を超えた。

8年前は12%に過ぎなかった。

マツダの選択と集中。どのモデルでどの市場を優先するのだろうか。

コロナ後の世界、まだはっきり見えず

自動車メーカー各社の決算発表は今後、5月18日にスバル、19日に三菱自動車工業、26日にスズキ、そして28日に日産と続く。

各メーカーとも、これまで発表されたトヨタ、ホンダ、マツダと同じく2020年3月期ではメーカーそれぞれの販売地域特性によって、台数減/営業利益減の幅で違いが出るだろう。

2021年3月期見通しについては、当面の間は未公開とする可能性が高い。

日系メーカーに限らず、世界の自動車産業にとって、新型コロナウイルス感染拡大の影響は、各社がいま置かれている環境を改めて見直す機会となっている。

その結果、注力する事業に差が生じ、それぞれのメーカー色が濃くなるように思える。

2010年代になり一気に加速したCASE(コネクテッド/自動運転/シェアリング等の新サービス/電動化)という技術やサービス領域の進化についても、いつ、何を、どのように、誰と組んてやるのかが、より明確になるだろう。

「コロナ後」の自動車産業界の姿は、まだはっきりと見えてこない。

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