【詳細データテスト】 ランドローバー・ディフェンダー オン/オフ共に無敵 高コストだがクラスベスト
公開 : 2020.05.23 10:20
走り ★★★★★★★★☆☆
ディフェンダーは内燃エンジンのドライブトレインを複数設定し、来年にはプラグインハイブリッドが追加される予定だ。ディーゼルのD200とD240、ガソリンのP300が直列4気筒ターボで、今回のP400はガソリン直列6気筒マイルドハイブリッドとなる。
それぞれの呼称は、使用燃料を示すアルファベットと、最高出力を表す数字を組み合わせたもので、すべてのエンジンはJLRのインジニウムファミリーに属する。いずれもZF製の8速ATが組み合わされ、もちろん四輪駆動。ローレンジのファイナルギア比も備える。
P400のエンジンはツインスクロールターボと、穏やかな48Vハイブリッドシステムを備える。電力のみで走行することはできないが、スターター/ジェネレーター兼用モーターは発進をアシスト。また、電動スーパーチャージャーが生むトルクは、2000rpm以下でのターボラグを減らし、3.0L直6の負担をいくらか軽くする。
このエンジンは非常にスムースで、ソリッドなレスポンスと十分すぎるトルクの持ち主だ。ハイブリッドシステムはCO2排出量を6g/km削減するとされるが、WLTPサイクルの燃費は8.2〜8.9km/Lで、われわれがオンロードテストでマークした値もだいたいそんなもの。世間を納得させることができる数字とはいい難い。
パフォーマンスもまた、満足いくものとはいえない。0−97km/h加速の公称タイムは6.1秒だが、今回のテストではそれに及ばなかった。以前にJLRのプロダクトでスペック表通りの数字をマークしたことはあるが、それもラクな仕事ではない上に、そこにはポルシェやアウディのような再現性もないのだ。
加えて、数字が示唆するほどには速く感じられない。それはこのクルマでも同じだった。2388kgの車両重量も、その言い訳にはならない。