【レクサス独走、韓国車が止めた】自動車耐久品質調査 韓国「ジェネシス」1位に なぜ? どんなクルマ?
公開 : 2020.05.21 05:50
他のカテゴリーで上位の日本車は?
参考までに他のカテゴリーで上位の日本車を見てみよう。
スモール:1位ホンダ・フィット
ミドルサイズ:3位トヨタ・カムリ
コンパクト:1位日産リーフ/3位トヨタ・カローラ
コンパクトスポーツ:1位マツダMX-5ミアータ(ロードスター)
ラージ:1位トヨタ・アヴァロン
コンパクトプレミアム:1位レクサスES/3位レクサスIS
トヨタ自動車はSUVやピックアップトラックのカテゴリーでも優秀な結果をおさめている。
レクサスGX(SUV)、トヨタ4ランナー(SUV)、トヨタ・シエナ(ミニバン)、トヨタ・タンドラ(ピックアップトラック)の各車種がセグメント1位の評価を獲得している。
ジェネシスが1位になったからくりは
今回の「自動車耐久品質調査」では1位がジェネシス(89)、2位がレクサス(100)という結果になった。
この結果を見た時、筆者は軽い、いや、かなりの衝撃を受けた。
「ジェネシスはレクサスよりも不具合が少なく、優秀なのか!?」
「いきなり1位ってどういうこと? 2019年にはブランド名すらなかったのに?」
アメリカのJDパワー本社に理由を聞いてみることにした。
回答するのはJDパワー米国本社のジーノ・エフラー氏だ。
「2019年において、ジェネシスブランドは3年経過したモデルが存在していなかったため、VDS調査の対象となるモデルがありませんでした」
「2020年調査では販売されてから3年以上のモデルがあったため調査対象となりジェネシスが最高ランクにランクインしました」
「なお、ジェネシスは、2018年モデルではG80という1モデルしなく、これが非常に高評価でした。対してレクサスは10以上の異なるモデルを販売しています」
つまり……ジェネシスブランドは2016年8月に立ち上がった高級車ブランドで、今回の調査対象(販売から3年以上)となったのはジェネシスG80一車種しかなかった、ということなのである。
ジェネシスG80、3月にフル刷新
では、そのジェネシスG80とはどんなクルマなのか?
米国では2017年モデル(2016年8月~)に発売された「G80」が最初のジェネシス車となる。
それまでの「ジェネシスセダン」を改名したモデルで、G90(韓国でもっとも高額なクルマ)の次に位置するプレミアムセダンだ。
ライバル車はレクサスGSやBMW 5シリーズ、メルセデス・ベンツEクラスあたり。
ライバル車たちに比べて1~2万ドルも安い価格設定。
JDパワーの新車品質調査でもポルシェと1点差で1位になっている。
安全性も高く、米国道路安全保険協会(IIHS)が評価する「2018年車両安全性テスト」でもG80 を含むヒュンダイ車6種が「最高安全プラス等級」を受けた。
最後にもう1つ興味深い結果を紹介しておこう。
新車を評価するための「JDパワー100ポイントスコア」は車両の品質、信頼性、パフォーマンス、減価償却、およびディーラー応対などの意見を総合したもの。
G80はレクサスGS F、リンカーン・コンチネンタル、アウディA7などに続いて9位という低い結果になっている。
データを見ると、品質と信頼性、運転性能は80点前後だが、ディーラーの応対が73点と低いのでこれが理由だろうか。
それでも3年経つとレクサスをしのぐほどの品質と高い満足を得られるのだろう。
日本でもかつて正規輸入されていたジェネシスにもう一度乗ってみたくなった。