【弱点はシャシーのサビと電装系】TVRグリフィス 2代目 英国版中古車ガイド
公開 : 2020.05.26 10:20 更新 : 2021.07.12 18:46
不具合を起こしやすいポイント
エンジン
カムチェーンからの異音に注意する。16万kmほどで交換が必要。カムシャフトは8万km毎の交換。
ロッカーカバー・ガスケットと、サンプカバーからのオイル漏れを確認する。5.0Lエンジンの初期ロットでは、クランクに不具合が出ていた。マニフォールドから排気ガスが漏れていないかも確かめる。
油圧や水温は常にチェックしておきたい。ラジエターが詰まったり、冷却ファンが止まることがある。
トランスミッション
5速MTは堅牢だが、定期的なフルード交換は必要。後期型のT5ミッションの場合、リバースの噛み付きへ注意する。初期のGKN製デフはノイズが大きい。後期型のソールズベリー製デフは、フルードが漏れやすい。
サスペンションとステアリング
タイヤ毎にボディを押し下げ、サスペンションのバウンドの有無を確かめる。ボールジョイントの状態も確認したい。
タイヤの偏摩耗がひどい場合、クラッシュの後遺症とも考えられる。アライメント修正では対応しきれないことも。
電気系統
ECUやバッテリー、ルーカス製ハーネスへ、水の侵入がないか確かめる。すべての電装系装備の動きも確認する。ボディの歪みでハーネスが擦れる場合がある。アーシングの不具合も起きがち。
シャシー
センターフレームからサイドシルへと伸びる、アウトリガーの状態を確かめる。アウトリガーから前後へ、さらにスチール製のセクションが伸びている。そこへ泥や石がこびりつき、上側からサビてくる。
シートベルト・アンカーが固定される場所でもあり、腐食により安全性が損なわれる可能性も。アンダーシールをドライバーで突けば、サビの進行を確かめられる。
ボディ
波打ちや割れ、部分的な塗装が施されていないか確かめる。フロントガラス根本の、水密性も確認したい。
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デビッド・ハザーソール TVRCC代表
「13年前に、1998年式のTVRグリフィスを購入しました。初め3万500kmの走行距離でしたが、今では13万3500kmを刻んでいます。日常の足として乗っていますし、トラブルはほぼありません」
「深刻な不具合が発生しても、新しいものを作れるほどサポート体制は整っています。ブリストルアベニューの古い工場でも、修復ビジネスが進められています」
「TVRグリフィスは、複雑なクルマではありません。トルク・ウエイト・レシオを考えれば、評価する価値は充分にあります」