【スズキ・ジムニーとオフロード走行】トヨタ・ランドクルーザー(3) 長期テスト
公開 : 2020.05.31 11:50 更新 : 2021.01.28 18:17
実用重視の四輪駆動を日常の足として利用すると、どんな体験が得られるのでしょう。本格SUVだからこその、嬉しいサプライズもあるはずです。日本未導入の3ドア版ですが、ランクル・プラドを英国編集部が長期テストで検証します。
積算1万1477km ヘッドライトのスイッチ
英国仕様のランドクルーザー・プラドは、ヘッドライトのスイッチを常時オンにしておくことができない。オート・モードだけで、センサーの反応が過敏だったりする。
冬のように、日が傾き影が長い季節では、ヘッドライトがオンとオフを繰り返す。数秒間で点滅するように。ランドクルーザーの前を走るクルマは、パッシングのようで気になるのではないだろうか。日没が迫っていることを教えてくれる点は、良いのだけれど。
積算1万5679km ランクル・プラドの悪路性能
長期テストのランドクルーザー・プラドで、オフロード走行を楽しんだ。写真撮影のために、サリー州の草原や、乗馬コースを走ったわけではない。ランドクルーザーの持ちうる、悪路走破性の限界を試すようなコース。
今回向かったのは、休みの日の採石場。ランドクルーザー・プラドのサスペンションアームを大胆に動かし、走れなくなる限界へ挑む。だが、大概は走れてしまった。
ランドクルーザー・プラドは、ほとんどのSUVにとって想定外と思えるような悪路でも、普通にこなしてまう。お買い物へ出かけるように。なぜなら、ランドクルーザーが売られている一部の国では、そんな路面環境が日常だから。
トヨタと一緒に悪路をテストしたのは、新しいスズキ・ジムニー。既に動画ではご紹介済みだ。
最も機敏に走れる本格派オフローダー
ランドクルーザー・プラドは、スズキ・ジムニーの上を行く走破性だった。予想通り。一方で純粋な操縦性などもあり、小さなジムニーの方が走りやすいエリアがあったことも確かではある。
フォード・フォーカス並みに短い全長を持ち、小さな最小回転半径と短いホールベースを持つ、3ドアのランドクルーザー・プラド。現在販売されている中で、最も機敏に走れる本物のオフローダーではないだろうか。
ただし、四輪駆動モデルとして最小限のプロポーションを求めた場合、フロント・オーバーハングが長過ぎるように思う。サイドから見ると、3ドアの場合はローラースケート・シューズのような形状でもある。
リアシートを起こした状態では、荷室容量が380L程度しかない点も、気にはなる。リアシートを畳めば720Lまで広がるが、それでも奥行きは短いし、荷室カバーの使い勝手も良くはない。大きな荷物を積むには、色々と操作が必要となる。
英国のような治安では、荷物を隠せることも重要。筆者は、クルマに積む必要のある隠すような荷物はないから、大丈夫ではあるが。
そのかわり、リアシートの背もたれは、様々な角度で固定できる。荷室を広くするために直立にもできるし、大きくリクライニングさせることも可能。長旅で子供が昼寝をするのにも丁度良い。