トヨタRAV4 EV
公開 : 2013.09.13 14:00 更新 : 2021.01.28 18:34
■どんなクルマ?
トヨタはハイブリッド・モデルを多く市場に出しているが、このRAV4 EVはハイブリッドではなく完全なEVモデルだ。また、EVのスペシャリスト、テスラと共同で開発されたモデルで、カリフォルニア限定で販売されているモデルである。厳しいカルフォルニアのエミッション規制に適合したモデルであり、税金の優遇と、購入に関する補助金が付く。
トヨタのCEO、豊田章男は、2010年にエロン・ムスク率いるテスラと協業をスタートさせた。テスラのために設計されたモーターとバッテリーを使用することで、前輪駆動のRAV4 EVは僅か22ヶ月という開発期間で現実のものとなったのである。
ちなみに、その販売は、2012年から行われているが、生産台数は3年間で2,600台に制限されている。
■どんな感じ?
充分に愉しくて速い。加速時のナメクジのようなトルクは魅力的だ。しかも、完全に静かとは言えないが、それでもガソリン・ユニットを搭載したモデルよりは遥かに静寂な空間がそこにある。これには、RAV4 EVが、通常のRAV4よりも優れた、数値で言えば0.30というドラッグ係数をもつツルツルとしたボディが与えられたことも影響している。ミシガンでのテストで感じたのは、あまりに静かなため、ロードノイズが騒がしく聞こえてしまうということだった。
トヨタはRAV4 EVにスポーツ・モード・ボタンを装備した。このモードにすれば、ステアリング・ホイールの後ろの機器類の照明がブルーからレッドに代わり、エクストラ・パワーを味わうことができる。このモードであれば、0-96km/h加速は僅かに7.0秒となる。しかし、その代わりに電力消費量は大きくなってしまう。166kmという公式にアナウンスされている航続距離は到底望めなくなってしまう。
RAV4 EVはシティ・クルージングを目的としたモデルだ。ステアリングは非常に軽く、ダイレクトだ。それはシティ・クルージングに向いたセッティングだ。ただし、ブレーキングでは、通常のRAV4よりも200kg重い車重を感じることだろう。ちなみに、バッテリーは車両の中央の低い位置にセットされている。
トヨタとテスラの共同開発による再生ブレーキ・システムは、バッテリーの充電に使用できる。これを上手く使えば、30kmほど航続距離を伸ばすことができる。
また、嬉しいことにバッテリーがトランクルームの容量を圧迫しないことも嬉しいニュースのひとつ。547ℓのブート・スペースはそのまま維持されているのだ。ちなみに、バッテリーのチャージは最速で6時間が必要だ。
■「買い」か?
カルフォルニア在住でなければ購入することのできないモデルなので、その費用までを考えると高価過ぎるかもしれない。冗談はさておき、このRAV4 EVは先代のプリウスがそうであったように、グリーン・ビークルの魁となるモデルになることをトヨタは望んでいる。また、実際の価格は、購入に関する補助金が出ることを考えると、2.2ℓディーゼル・モデルとほぼ同等の価格となっている。
(マット・バート)
トヨタRAV4 EV
価格 | $49,800(496万円):補助金控除後$31,736(316万円) |
最高速度 | 137km/h |
0-96km/h加速 | 7.0秒 |
燃費 | NA |
CO2排出量 | 0g/km |
乾燥重量 | 1829kg |
エンジン | 電気モーター |
最高出力 | 154bhp |
最大トルク | 37.7kg-m |
ギアボックス | シングル・スピード |