【最後のロータリーエンジンをたしなむ】マツダRX-8 英国版中古車ガイド
公開 : 2020.05.28 10:20 更新 : 2021.07.12 18:46
不具合を起こしやすいポイント
エンジン
ロータリーエンジンは、ピストン運動をするエンジンより、はるかに構造はシンプル。だが、致命的な故障をきたす場合もある。
気温やエンジンの温まり具合に関係なく、始動は2秒以内が理想。加速中のパワー感にフラットな回転域がないか、異音がないか注意する。圧縮テストも忘れずにしたい。
サスペンション
アンチロールバーのリンクの状態を確かめる。交換は比較的安くできる。リアエンドが不自然に下がっている場合、スプリングが腐食して折れている証拠。
初期のクルマは、フロント・ロアアームの不具合でリコールが出ている。
ステアリング
ユニバーサルジョイントが劣化すると、ステアリングホイールにコツコツと振動が出る。パワーステアリングの違和感は、ホース周りからセンサー上に垂れるクーラント液が原因の場合がある。腐食などが酷くなければ、クリーニングで直ることも多い。
ブレーキ
あまり不具合は起きない。長期間放置されていたクルマは、ピストンキャリパーの固着や、ブレーキディスクのサビに気をつけたい。
ブレーキの交換部品は手に入りやすく、交換費用もさほど高くはない。
ボディ
特に初期のRX-8は錆びる。2006年以前のクルマでサビのないものは珍しい。後付けのボディキットで錆びている部分が隠れている場合もある。ホイールアーチ内を触れて、腐食具合を確かめたい。
荷室のフロアやサブフレームも錆びやすい場所。
電気系統
あまり心配は不要。クーラント液センサーの不具合でも、ダッシュボード上の警告灯が付く。イグニッションコイルが交換されていない場合、新品へ交換しておきたい。
ちなみに、初期のRX-8のシートヒーターは、サイドサポートのみだった。
専門家の意見を聞いてみる
アイミー・ブラッドリー ロータリー・レブズ代表
「マツダRX-8は、高い評価を得てきたのにも関わらず、問題児的な見られ方もされてきました。エンジンの不具合や燃費の悪さ、ランニングコストの高さが原因です。RX-8に興味を持った人がいても、結果的に諦めるケースが多い理由ですね」
「もちろん、すべてのRX-8が悪いクルマ、というわけではありません。どこに注意するべきか、ある程度の知識さえあれば、バーゲンプライスでロータリーエンジンを楽しむことができるでしょう」
知っておくべきこと
ロータリーエンジン・ファンの間では、ステーショナリーギヤ・ベアリングの不具合が知られている。その場合、エンジン自体のリビルトが必要。
低回転域で油圧が低下すると生じやすく、潤滑が適切でないことが原因。内蔵された診断プログラムは、致命的な障害に至るまで警告を出してくれない。
もしエンジンが始動時にコツコツという音を伴い、アイドリングが不安定で、高回転域でも異音が出るようなら、専門ショップへ相談した方が良いだろう。