【コロナなくとも方向転換】ルノー・日産・三菱、連携強化 日産は日本/北米/中国とEVのリーダーへ
公開 : 2020.05.28 05:50
EVと軽、日産がリーダーになる
技術におけるリーダーとフォロワーは、ルノー・クリオと新型日産ジューク、またはNMKVの軽などで実証されている。
さらに、EVでは日産リーフや三菱i-MiEVが世界をリードしてきた。
今後はさらに一歩踏み込んで、リーダーとフォロワーを決める。
各分野でのリーダーは、自動運転技術を使った高度な運転支援システムは日産。eボディ(電子電気アーキテクチャーのコアシステム)はルノー。
コネクテッドカーでは、アンドロイドプラットフォームがルノー、中国向けプラットフォームが日産。
小型車(A/Bセグメント)の電動パワートレインはルノー、Cセグメント以上の電動パワートレインは、日産となる。
そのほか、プラットフォーム(車体)は、A/Bセグメントはルノー、軽とCセグメントは日産、中型EVは日産となる。この中型EVとは「アリア」を指す。
こうした技術のさらなる協業によって、コストは約2割削減できるという。
会見後の記者との質疑応答で、仏マクロン大統領が先ごろ、フランスでのEV需要活性化と国内でのEV生産の強化を表明したが、この件とアライアンスとの関係を聞いた。
それについてスナール会長は「(新しい)アライアンスを前提してのこと」と答えた。
またEV用バッテリーについては、ルノー幹部が「様々な選択肢をコスト面などから考慮する」と説明した。
日産は、日本/北米/中国が中核地域
新しいアライアンスにおける3本の柱、3つ目となるレファレンス地域。
要するに、現時点において生産と販売の主体がある地域を示し、そこでの他の2メーカーとの重複するような生産/販売体制を避けるということだ。
3社のレファレンス地域とは、日産が日本、北米、中国。ルノーが欧州、ロシア、中南米、北アフリカ。そして三菱が東南アジアとオセアニアとなる。
こうした中、気になったのが各地域における、具体的なアライアンスの活用だ。
例えば、ブラジルでは、4つのプラットフォームがあり、このうち2つがルノーの4モデル分で、残り2つが現在タイでも生産し日本に輸出するマーチとキックス。
これを将来は1つのプラットフォームで7モデル化するという。
また、欧州・ロシア市場の説明の中で、CセグメントSUVについて「日産がグローバルをリードし、2025年以降のモデル刷新」とある。
記者からは「2025年とは、ずいぶん先の話では」という意見もあったが、これは次の次の「エクストレイル」なのか?
新たなるアライアンスによって生まれ変わろうとしている、ルノー/日産/三菱。
日産の2020年3月期決算、および中期経営計画の発表は5月28日実施の予定だ。