【古いクルマに厳しい】日本だけ? アメリカ/韓国/欧州の自動車税、調べてみた 免除/優遇あり
公開 : 2020.05.29 05:50
お隣の韓国 古いほど税額が安くなる
あまり紹介されることがない韓国の事情を紹介しておこう。
韓国にも「自動車税」(チャドンチャ・セ)という名のオーナーが納める税金がある。
登録から3年目以降、毎年5%ずつ安くなっていく。12年以上は50%で固定される。(半額以下になることはなく、20年経っても30年経っても新車税額の50%)
韓国は新車至上主義の国ゆえ、クルマが古くなる=価値が下がる(から税金を安く)という考えに基づいている。
ちなみに、かつては排気量を5段階に分けて税額を設定していたが、(大排気量ほど高額で不利)、非関税障壁と指摘されアメリカなどからの抗議によって現在は大排気量が不利にならない3段階の設定となっている。
また、燃費やCO2排出量によって自動車税額を変えるという議論も出されたが、こちらも韓国自動車業界の反発によって導入が見送られている。
ではその韓国の自動車税。どれくらいなのだろうか?
非営業乗用車の自動車税(1ウォン=0.087円で計算)
-1000cc:1ccあたり80ウォン(約7円)
1000-1600cc:同じく140ウォン(約12円)
1600cc以上:同じく200ウォン(約17.4円)
1600ccで19200円、2000ccで34800円なので、新車から3年までは日本とそれほど大きな違いはない。
が、3年経過後から安くなっていくのは素晴らしいシステムだ。
さらに、その年の1月に自動車税を納付すれば10%オフとなる「早割り」も採用されている。
欧州、25~30年以上で「免税」多く
自動車の歴史が長いヨーロッパは環境基準の厳しい国々であっても、古いクルマに対する様々な優遇措置がある。
ドイツ
ドイツには「オールドタイマー」という制度があり、税金や車検など様々な優遇措置がある。
初度登録から30年経過し、オリジナルを保っているクルマには「Hナンバー」(末尾がH)を付与するが、どんな部品を使って修理したのかがわかる整備記録簿の提出が必須。
塗装も極力純正塗料であることが求められる。
例えば1960年代のクルマに最新のオーディオを付けるのも当然NG。なおドイツは都市によって環境規制があるが、Hナンバー車は規制関係ナシに走行できる。
また、「07」から始まる旧車用の設定もある。旧車イベントへ参加のための移動、試乗と検査、修理やメンテナンスのための移動のみ許される。
1枚のプレートを複数の旧車に付け替えて使えるのもポイント。
税金は安く設定されているが、考え方としては旧車文化の振興をうたいつつ環境に悪い古いクルマを必要以上に走らせたくない、という目論見もある。
イタリア
自動車税は燃費基準をベースに税額がきまる。20年以上経過したクルマは「クラシックカー」として減税対象となり30年以上で免除となる。
かつて20年以上の中古車が大量に海外に流出したことから、イタリアの旧車文化を守るためにイタリア政府が実施した旧車への優遇措置である。
イギリス
初度登録から40年以上経過の自家用車は自動車税が免税。
同様にMOT(日本で言うところの車検)も免除となる。かつては1960年以前に登録したクルマが対象となっていたが、現在は「登録から40年」が対象。
ただし、40年以上経過でも、過去30年間に、シャシー、サスペンション、エンジンなどの基礎的部分にカスタムを施していたらMOD除外の対象外となる。