【レクサスLM】初のミニバン 価格が中国で暴騰 新古車が3500万円にも 値上がりした背景
公開 : 2020.05.30 05:50 更新 : 2023.04.18 10:36
中国ではレクサスが異常なまでの人気
中国ではレクサスが大変な人気だ。
日本と同じ2005年に中国でのディーラー展開が始まって今年で15年。昨年ついに累計販売台数が100万台を超えた。
2019年1~12月の主要地域別の販売実績は以下となっている。
2019年1~12月の主要地域別の販売実績
北米:約32.5万台(前年比100%)
中国:約20.2万台(前年比125%)
欧州:約8.7万台(前年比114%)
日本:約6.2万台(前年比113%)
中近東:約3.2万台(前年比108%)
東アジア:約3.4万台(前年比108%)
世界のどの地域でも好調だが特に好調なのは前年比125%の中国だ。
中国の新車販売台数は2018年から2年連続で減少しており、2019年の自動車販売台数は前年比8.2%減の2576万9000台。乗用車だけの数字は前年比9.6%減の2144万4000台。
このような状況の中でレクサスの販売台数が前年比125%という数字がいかに凄い事かおわかりだろう。
ちなみにレクサス同様、トヨタ車も同レベルの好調さをキープしている。
中国の富裕層がレクサスを好むのは日本から輸入された「本物の日本製高級車」だからだ。
中国ではメルセデス・ベンツやアウディ、BMWはもちろん、日本の高級車ブランド、アキュラ(ホンダ)、インフィニティ(日産)も中国メーカーとの合弁会社を作って中国内で生産している。
米国テスラも合弁規制解除後の2019年より中国での生産を始めた。
しかし、レクサスは品質をまもるため、日本で製造することにこだわっており、今後も中国での生産は考えていないという。
LMはなぜこんなに高値になったのか
中国ではディーラーが販売価格を自由に決めることができる。
希望小売価格は存在するが、レクサスのディーラーが中古車販売店に希望小売価格以上で販売することも当然可能だ。
そして、中古車店はディーラーから買った新車のLMをいったん登録して、新古車として一般ユーザーに販売するという流れのようである。
それにしても高級バージョンの4座モデルは軒並み210万元以上(3360万円)の値段をつけている。7座にも200万元の値段がついているものもある。
この現象はレクサス全体に起こっているのだろうか? と思って他の車種を調べてみたところ、他の車種については普通に中古車らしく適正に価格が下がっている。
LX、LS、LCも中古車の価値残存率を表す「保値率」は1年後で75%前後だ。
ちなみに、他にも同様の高人気をキープしている日本車が中国にはある。レクサスLMのベースとなっている、トヨタ・アルファード&ヴェルファイヤだ。
希望小売価格はいずれも最上級グレードで約1400万円だが、保値率は93%以上。中古車としてもっとも高額なアルファード&ヴェルファイヤは2000~2200万円の価格をつけており、平均して5年落ちでやっと正規の新車価格レベルとなる。
高級ミニバンが大人気の中国自動車市場だが、他社からも実は続々と、この数か月間に新しい高級ミニバンが発売されている。
3月にはモデルチェンジで高級感がアップしたビユイックGL8、さらにGL8の高級4座モデル「アベニール」の販売もスタートし、5月末にはVWから全く新しい高級ミニバン「ヴィロラン」も登場した。
ヒートアップする中国高級ミニバン市場でLMやアル・ヴェルがどのように戦っていくのだろうか?
おそらく他の追随を辞すことはないだろうけれど。