【最大の違いが】なぜレクサスGSは、メルセデス・ベンツEクラスに負けて撤退するのか?

公開 : 2020.06.01 05:50  更新 : 2021.10.22 10:15

日本の市場が大切なら、今こそ

現行レクサスLSは、前述の通り日本の使用環境に適さないほどボディを肥大化させ、1か月の売れ行きを300台弱まで低迷させた。

そうなるとレクサスが日本のユーザーを大切に考えるなら、今こそGSの存在感を発揮させるべきだ。

レクサスGS F
レクサスGS F    レクサス

LSと同じプラットフォームを使って、ひとまわりコンパクトな高級スポーツセダンに仕上げる。快適性を重視するユーザーには前輪駆動で広い室内を備えるラグジュアリーなES、走りの優れたパーソナル性を求めるなら4ドアクーペ風のGSと明確なキャラクター分けをおこなう。

このような可能性を秘めたGSを廃止すれば、レクサスのセダンは今後ますます弱体化してしまう。

レクサス販売店への取材によると「ISは2019年の後半から2020年に掛けて改良をおこないます。しかしながら、フルモデルチェンジではなくマイナーチェンジになります」という。

現行ISの登場は2013年だから、改良しても設計の古さは否めない。

このような日本のレクサスにとって、GSの廃止による結果的な損失は大きく、ブランドの確立も一層難しくなりそうだ。

GSの廃止は、レクサスが日本のユーザーを大切に考えていない結果でもある。

記事に関わった人々

  • 渡辺陽一郎

    Yoichiro Watanabe

    1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年間務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向した。「読者の皆様にケガをさせない、損をさせないこと」を重視して、ユーザーの立場から、問題提起のある執筆を心掛けている。買い得グレードを見極める執筆も多く、吉野屋などに入った時も、どのセットメニューが割安か、無意識に計算してしまう。

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