【クルマ盗難で大炎上】日本で盗まれた車体やパーツ、バラバラの状態に アメリカの日本車専門店で続々発見 防止策は

公開 : 2020.06.02 05:50  更新 : 2023.03.31 09:35

日本で盗難されたクルマが、バラバラにされてアメリカの日本車専門店で売られているのが、続々と発見され、SNSで話題になっています。被害者の体験を取材するとともに、盗まれないための防止策をお伝えします。

盗難車 アメリカのサイトで堂々販売

text:Kumiko Kato(加藤久美子)

アメリカで販売されたJDMに関する大事件が発覚しつつある。

JDMとはJapanese Domestic Marketのことで直訳すると「日本国内市場」。オレンジ色のウィンカーやサイドバイザーやドアバイザー、水中花シフトノブや車検燃費基準ステッカー、カスタムスタイルに至るまで、日本にしかないクルマ関連のものの総称だ。

アメリカでは、人気の日本車が、車体のみならずパーツ単体でネット販売されている。
アメリカでは、人気の日本車が、車体のみならずパーツ単体でネット販売されている。    J-Spec Auto Sports Inc.

狭義では「25年ルール」(製造から25年経過した車両は各種の規制、米国保安基準に関わらず、米国で販売、登録が可能になる。)で解禁となった右ハンドルの日本車を指す。

その事件とは日本で盗難された80~90年代の人気国産車(スープラスカイライン、インテグラ、インプレッサシルビアRX-7、ランサー・エボリューションなど)が、ヴァージニア州にあるJ-Spec Auto SportsというJDM専門店で販売されている事例が多数明らかになってきたことだ。

この事件についてJ-Spec Auto Sports Inc.は公式に声明を出している。長い文章だがひとことで書くと以下の内容となる。

「わたしたちがクルマを盗んで、これらのクルマや部品を販売したのではないかという疑惑がありますが、わたしたちが違法な活動に参加することは絶対にありません。現在、日本の地方自治体と協力して適切な調査を進めています」

どんなものが販売されているのだろうか?

車体のほかバラバラになったパーツも

J-Spec Auto Sports Inc.は、車両本体からエンジンやフロントクリップ(ステアリング、ダッシュボード、左右フェンダーなどの部分)、エアロパーツや日本で使われていたナンバープレートまでを大量の在庫と共に販売している。

一例をあげてみよう。

車体本体の販売例。
車体本体の販売例。    J-Spec Auto Sports Inc.

「Imported RHD Cars」(輸入右ハンドル車)として販売されているのはクルマ本体。

年式は1990年代前半に集中しており、最新のものでも1995年モデルのスカイラインR33となる。いわゆる「25年ルール」が適用されるからだ。

25年ルールとは右ハンドル車であっても、もろもろの規制、米国保安基準を受けることなく、ほぼそのままで一般ユーザーに販売、登録が可能になるルールだ。

製造月ベースとなるので、現在アメリカで完成車として登録できるのは1995年5月以前に製造されたモデルとなる。

パーツも単体でたくさんの車種のものが販売されている。

たとえばホンダ製エンジン。B型エンジン「B16A」は元祖VTECエンジンと呼ばれるエンジンでインテグラ(1989年)、シビック(1991年)などに搭載されてきた。

アメリカでの人気も非常に高い。

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