【詳細データテスト】ポルシェ・カイエン 二兎を追う者は一兎をも得ず 元凶は重さ

公開 : 2020.06.06 08:50  更新 : 2022.06.22 14:32

購入と維持 ★★★★★★☆☆☆☆

手に入れたポルシェカイエンを見せびらかしつつ、プラグインハイブリッドシステムの旨味も享受しようと目論んでいるなら、そこに影を落とす存在がある。少なくとも論理的に比較すれば、6万8358ポンド(約957万円)のカイエンE-ハイブリッドに見劣りしてしまうのだ。

相対的にスローでも、絶対的にはスローではないV6+モーターを積むカイエンの魅力は、およそ半額という価格面だけにあるのではない。EV走行の航続距離では、トップグレードのハイブリッドモデルをわずかながらも上回るのだ。

ターボS E-ハイブリッドの4.0L V8は存在感がないわけではないが、オプションのスポーツエグゾーストはさらに大きなシャウトを轟かせる。2012ポンド(約28万円)のそれを装着した場合の排気音は、かなりの大音量だ。
ターボS E-ハイブリッドの4.0L V8は存在感がないわけではないが、オプションのスポーツエグゾーストはさらに大きなシャウトを轟かせる。2012ポンド(約28万円)のそれを装着した場合の排気音は、かなりの大音量だ。

同じく、もしも速さとV8独特のキャラクターがほしいなら、カイエン・ターボで十分だ。それなら2万3000ポンド(約322万円)は安く、しかもラゲッジスペースの容量も大きい。

ただし、ターボS E-ハイブリッドにも強みはある。ターボよりも予想される残価率が上なのだ。残価設定ローンを組めば、経済的負担はターボと大差ないものとなる。また、プラグインハイブリッドゆえに優遇税制の恩恵にもあずかれる。

とはいえ、実用性を考えれば、もっといい選択肢がいくつもある。BMW X5 xドライブ 45e Mスポーツがその好例だ。394psというパワー、申し分ないダイナミクス、そしてWLTPサイクルで82kmというEV走行の航続距離を考えれば、6万6675ポンド(約933万円)という値付けはなかなかお値打ちだといえる。

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