【レベル4自動運転をめざす】VWとフォード 米アルゴAIへ2832億円投資 2021年実用化か

公開 : 2020.06.08 11:20

VWグループとフォードが、自動運転技術を手掛ける米アルゴAIへの投資を完了しました。共同で、都市部でのライドシェアリングと商品配達サービスのための、レベル4対応の自動運転システムの提供を目指していくそうです。

アルゴAIへ2832億円の投資

text:Lawrence Allan(ローレンス・アラン)

フォルクスワーゲン・グループとフォードは、自動運転技術を手掛ける米国のスタートアップカンパニー、アルゴAIへの26億ドル(2832億円)の投資を完了した。

今回の取引は、VWグループとフォードが共にパンデミックによる大きな経済的打撃を受ける中、最終的な合意に至った。

握手を交わすフォードCEOジム・ハケットと、VWグループCEOヘルベルト・ディース(昨年)
握手を交わすフォードCEOジム・ハケットと、VWグループCEOヘルベルト・ディース(昨年)

契約の重要部分は、VWグループでプレミアムブランドを担う「アウディ」の自動運転部門(1.28億ポンド相当:1753億円)を、アルゴAIへ譲渡することだろう。

ミュンヘンを拠点とするこの部門の200人の従業員、および既に開発された技術が、すべてアルゴAIのヨーロッパの中心機関として統合される。

これは、アルゴの5番目のエンジニアリングセンターとなり、米国外で唯一のものとなる。

パンデミック以前、フォードはその自動運転車の開発にトータルで40億ドル(4356億円)を費やすことを計画していた。

VWは、合計21億ポンド(2876億円)弱を投資し、3年間でフォードから株を購入する計画となっており、これによりアルゴAIの総評価額が56億ポンド(7669億円)を超えることとなる。

2021年に最初の商用車への採用

両社は昨年、アルゴAIの自動運転システムを利用し、ヨーロッパとアメリカで初の商用車を展開する計画案を発表した。

「密集した都市部での、ライドシェアリングと商品配達サービス」のため、レベル4対応の自動運転システムの提供を計画している。

アウディがレベル4対応の自動運転システム搭載を目指したコンセプトカー
アウディがレベル4対応の自動運転システム搭載を目指したコンセプトカー

アルゴAIの自動運転システムは、2021年に最初の商用車への採用が予定されており、迅速かつ大規模に拡張できる可能性が、最も高いシステムと言われている。

ワシントン、パロアルト、ピッツバーグ、マイアミおよびデトロイトでは、すでに路上テストが開始されている。

フォードのCEO、ジム・ハケットは昨年、「フォードとフォルクスワーゲンは個別のメーカーとして、激しい競争を続けています」

「しかし、この重要なテクノロジーでアルゴAIとチームを組み、協力することで、比類のない機能、スケール、カバーエリアを提供することが可能となります」と述べている。

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