【EU離脱交渉再開】日産、英国工場の「持続は不可能」 貿易協定なければ
公開 : 2020.06.06 20:50
日産は、その生産台数の70%をEU市場に輸出、販売している英サンダーランド工場について、英国が貿易協定を結ばないままEUを離脱した場合、維持が困難となると述べています。再開されたEU離脱交渉の今後が注目されます。
サンダーランド工場の未来
同社は、7000人の従業員を抱え、昨年35万台の自動車を製造した、英国にある同社のサンダーランド工場を、ヨーロッパの生産事業の中心として維持していくことを明らかにしている。
しかし、同社のグローバル最高執行責任者(COO)であるアシュワニ・グプタは、英国が貿易協定のないままEUを離脱した場合、英国最大の自動車工場には未来がない可能性があると述べている。
グプタはBBCに対し「わたし達は、英国でナンバー1の自動車メーカーであり、今後もそうありたいと考えています」
「しかし、関税がどのくらいになるか分からなければ、わたし達の意思に関係なく、ビジネスの持続は難しいでしょう」
「それは誰の目にも明らかでしょう」と述べている。
日産は、スペインとインドネシアの工場を閉鎖し、サンダーランド工場の維持にコミットしている。
しかし、ヨーロッパ全体で3%の市場シェアを持つ同社は、そのヨーロッパ事業を「ノンコア」と表現している。
グプタはまた、アライアンスのパートナーであるルノーが、サンダーランドの予備生産能力を使用して、プラットフォームを共有するモデルを生産することについて、ルノーが対応するべき内容として、コメントを避けている。
サンダーランドの総生産量の70%は、現在、EU市場に輸出、販売されている。
英国が貿易協定を結ばないままEUを離脱し、世界貿易機関(WTO)の規則に従うこととなった場合、10%の輸出関税が課される可能性が高い。
英国とEUの間のEU離脱交渉は、今週再開された。
EU離脱の延期を要求するかどうか、英国は6月末までに決定する必要がある。