【コロナ禍なのに……】レクサスIS/GRヤリス/マスタング・マッハ1 この時期に派手な新車情報、増えた背景
公開 : 2020.06.06 05:50 更新 : 2021.03.05 18:45
リーマンショック後と同じ攻め方か?
マスタング・マッハ1は1969年に導入された、当時のトップグレードだ。
現行マスタングでは、シェルビーGT350R/GT500など超ハイパフォーマンス系がカタログモデルとしてラインナップしている中、マッハ1はマスタングのヘリテージ(実績に基づく歴史)を象徴するために導入が決まった。
最近のマスタングといえば、EVのマッハeに注目が集まっており、フォードとしてはマスタングというブランド全体の中で、様々な形ので尖った商品揃えを進める意向だ。
こうしたIS、GRヤリス、そしてマッハ1に対して、メーカーとしてはリーマンショックの後と同じような展開になれば……という期待があるのではないだろうか。
2008年、アメリカを震源として世界へと広がった緊急危機(日本でいうリーマンショック)で、アメリカ市場は1700万台規模から1000万台規模へと一気に落ち込んだ。
そこから立ち直る際、最初に需要が戻ってきたのが、富裕層が支持するプレミアムブランドやハイパフォーマンス系モデルだった。
このパターンが、ウィズコロナでも起こり得ると、メーカー各社が考えるのは自然なことだと思う。
ただし、ここへきて、人種差別に関する住民運動が全米規模に拡大しており、アメリカを中心とした経済回復のシナリオが変わる可能性もある。
3モデル もう1つの共通点がある
視点を変えると、今回取り上げた3モデル登場の時期について、いまがハイパフォーマンス系モデルの大きな時代の変わり目だ、といえるかもしれない。
IS、GRヤリス、マッハ1は、世の中のスーパーカーとは異なり、庶民でも少し背伸びをすれば手が届く価格帯にある。
本来、ハイパフォーマンスカーは、スカイラインGT-R/インプレッサWRXランサーエボルーションなど大衆車をベースに開発されることが多かった。
この法則に、GRヤリスとマッハ1は当てはまる。
また、ISもレクサスとしてはエントリーセダンモデルであり、トヨタ車との部品共有性も高く、特にFシリーズがハイパフォーマンス系となる。
こうした領域のハイパフォーマンスカーは、ユーザーにとってコスパが高いが、メーカーにとしてはどうせ販売台数があるていど限られているなら、いまの時代、もっとハイグレードなスーパーカー級の方が収益性が高いと考えるだろう。
さらに、パワートレインの本格的な電動化の波は避けようにない。ISも近い将来、UXのようにEV化されても不思議ではない。
いまが、時代の変わり目なのか?
コロナ禍で、自動車産業界はこれから、様々な市場の変化に直面する中、IS、GRヤリス、マッハの動向に注目していきたい。