【さらに重要性が増】PSA-FCA合併 パンデミック後も計画に変更なし 「これまで以上にお互いを必要」
公開 : 2020.06.08 11:50 更新 : 2021.03.05 21:42
パンデミックによる打撃が深刻な自動車業界で生き残るため、FCAとグループPSAの合併は、さらに重要性が増していると言われています。コスト削減と業務合理化を実現する、新しいリーダーの手腕に期待が寄せられています。
合弁の大きな意味
フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)とグループPSAの合併について、ジェイトー・ダイナミクスのグローバルアナリスト、フェリペ・ムニョスは、パンデミック後も計画に変更が加えられることはないだろうと述べている。
「今回の合併は、1年前よりもさらに大きな意味を持つと思います」
「厳しい状況ですが、これまで以上にお互いを必要としているでしょう」とムニョスは述べている。
新型コロナウイルスの影響により、各メーカーの財政状況はさらに悪化している。
また、電動化のために必要となる莫大な投資を、単体で負担することが難しいため、合併や買収が業界内でさらに一般的になると考えられている。
生き残りをかけて
この合弁により、FCAは電動化で先を行くPSAから、その恩恵を受けるだろう。
一方、FCAの北米マーケットでの強みを生かして、PSAはついにその市場での突破口を開くだろう。
2つのグループを合理化し、できるだけ多くの地域で、できるだけ多くのモデルの投資利益率を上げることを目的としているこの合併の魅力は、パンデミック後も色あせることはない。
「この危機により、多くのグループ、特により脆弱なグループは、コラボレーションを模索し、コストを共有、節約する必要があります」
「パンデミックの数か月前に合意に至ったFCAとPSAの合併の理由は、生き残るためとされています」
「フォルクスワーゲングループ、トヨタ、ルノー・日産・三菱アライアンスといった、世界のビッグ3に対抗するのためではありません」とムニョスは言う。
PSAとFCAが生き残る道は、パンデミックの有無にかかわらず、厳しいものに違いはないだろう。
業務の合理化による、工場の閉鎖と人員削減も避けられそうにない。
新しいグループは、PSAおよびオペル・ボクソールの運命を逆転させた、才能にあふれた人物によって率いられる。
「カルロス・タバレスは、何をどうするべきか、よくわかっている」と、ムニョスは述べている。