【軽トラック】なぜトラック王国アメリカで日本の軽トラが大人気? 25年ルール待たず輸入/登録の動きも
公開 : 2020.06.08 17:50 更新 : 2020.06.09 11:49
「オフロード」走行用として登録する
25年ルールとは製造月から25年を経過した自動車はNHTSA(米国道路交通安全局)が定めるFMVSS(連邦自動車安全基準)などの規則が撤廃されるルールのこと。
これが適用されると右ハンドル車でもクラッシュテストや排ガステスト(EPA=製造後21年以降で撤廃)の影響も関係なく輸入が可能となり一般ユーザーが購入し登録することができる。
アメリカの道路を走る軽トラの多くはこの25年ルールによって輸入販売が許可されている。
しかし、これ以外のルールとして「オフロード車」として輸入/販売/登録する制度がある。
日本で「オフロード車」というと舗装されていない山道や砂地を走る4×4のイメージかもしれないが、ここでいうところの「OFF ROAD」とは「高速道路のような舗装道路以外の道路」という意味合いが大きい。
4WDである必要もない。
オフロード登録にすると、5つの州(ニューハンプシャー/メイン/イリノイ/テネシー/カンサス)を除いて、連邦の保安基準FMVSSに適合対象から外れる。
ただし、20以上の州で州間高速道路(インターステイト・ハイウェイ)の走行が不可だったり、最高速度を25マイル(時速40km)以下にしたり、走行に関して何らかの制限が掛けられている。
またオフロード登録以外に、LSV(LOW SPEED Vehicle)として登録する方法もある。この場合は、制限速度35マイル(約56km)以下の道路のみ走行ができる。
米軍基地でも軽トラを使用している
オフロード車登録では、多少の制限はあるものの、農場や森林での移動や作業、建設現場やゴルフコース、リゾート施設の中の移動や隣町までの移動などは全く問題なく使うことができる。
また走行できる範囲や出せるスピードが限られていることで、25年ルールで輸入登録された軽トラックよりもさらに、自動車保険がリーズナブルに契約できる大きなメリットがある。
低燃費であることによる燃料代や安価に設定された保険料などを合計すると3年間で9000ドル以上(約100万円)もの節約が可能になるというから凄い。
近年はアメリカの消防署、救急車の手配会社や一部の警察機関でも軽トラが使われ始めているという。
トレーラーをけん引するためのヒッチ、ウインチや各種のプラウ(除雪機などのアタッチメント)など、多くのアクセサリーの利用も可能で使い方は多様性に富んでおり、耐久性も十分だ。
燃費が良く低コストで保険料も安いことで公用車への採用も進んでいる。
ちなみに、日本における小さなアメリカ「米軍基地」においても軽トラが大活躍している。
軽トラのみならず、エブリイなどの軽ワンボックス車も実にたくさん見ることができる。
25年ルール以外での「オフロード車」としての輸入はまだ少ないとされているが、アメリカにおける軽トラ需要はどんどん高まっているという。
実際の用途を考えればオフロード車登録でも全く問題なさそう。これからは軽トラの中古車相場も値上がりするかもしれない。