フォーミュラ・フォード・エコブースト

公開 : 2013.09.20 22:00

■どんなクルマ?

1.0ℓのフォード・エコブースト・エンジンを搭載したフォーミュラ・マシンだ。その3気筒エンジンは200bhpのパワーを持ち、ギアボックスは6速マニュアル・シーケンシャル、そしてサスペンションは4輪ダブル・ウィッシュボーンという構成である。

但し、見てわかる通り、公道を走るためのレギュレーションに合わせた装備がされたモデルである。ヘッドランプ、バックミラー、ウインカー、バックフォグなどが取り付けられたワンオフ・モデルなのだ。

■どんな感じ?

そのキャパシティからは想像できないようなトルクフルなエンジンで、しかも速い。但し、多くのレーシング・モデルと異なり、中低速域が厚いのが不思議な感覚だ。またそのサウンドも普通のTDIエンジンの音と変わりない。その一方で、トップ・エンドは相対的に見れば少し弱い感じがする。デジタル・ダッシュでは6500rpmがレブ・リミットとされているのだ。

しかし、この3気筒ターボ・エンジンの特性を心得た上で走らせるのなら、滑らかで力強いパフォーマンスを見せてくれる。ギア・シフトも素早く、ステリアングも途方もなく正確だ。ほんの僅かな角度のステアリングの動きにもシャープに反応し、正確なルートをトレースしてくれる。

ただし通常のフォーミュラ・フォードのようにストッロルによって姿勢制御を行うというのには不向きなセッティングだが、それ以外はハンドリングもよく、その乗り味はレーシングカーそのものだ。

ニュルブルクリンクでは7分22秒というラップを刻むことができ、0-100km/h加速も4秒を切る。しかも燃費は最高で41km/ℓをマークするという。これは495kgという重さだからこそなしえる数値だ。

このフォーミュラ・フォードに載った後には、フォードにケータハムより軽いプロダクション・スポーツを作って欲しいと思ってしまうほど。それほどまでに、この軽量ボディと小さいターボ・エンジンの組み合わせは良い印象を得た。

■「買い」か?

実際にはこのエコブーストを搭載したフォーミュラ・フォードはワンオフ・モデルであり、購入することはできない。しかし、フォードには、このフォーミュラ・フォードと同じような味わいのあるスポーツカーを造らなくてはならない義務があるように感じるのだが。

(スティーブ・サトクリフ)

フォーミュラ・フォード・エコブースト

価格NA
最高速度257km/h
0-100km/h加速4.3秒
燃費20.1km/ℓ
CO2排出量NA
乾燥重量495kg
エンジン直列3気筒995cc
最高出力200bhp
最大トルクNA
ギアボックス6速シーケンシャル

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