【次期トヨタ86&スバルBRZ】新型、登場迫る BRZ現行は終了間近の情報 立ちはだかるハードルも

公開 : 2020.06.10 05:50  更新 : 2021.10.22 10:15

安全装備&運転支援 アイサイト採用

次期型トヨタ86スバルBRZの装備で注目されるのは、安全面と運転支援機能だ。

現行型はスバル製なのにアイサイトが採用されていない。

マツダ・ロードスターは、歩行者検知の可能な衝突被害軽減ブレーキ、後方の並走車両などを検知して知らせる機能を採用。
マツダロードスターは、歩行者検知の可能な衝突被害軽減ブレーキ、後方の並走車両などを検知して知らせる機能を採用。    マツダ

理由を開発者に尋ねてみた。

「フロントウインドウの角度と、カメラセンサーを装着できる高さ(地上高)のバランスからアイサイトの装着は難しいのです」という返答をされた。

しかし今日のクルマでは、カテゴリーを問わず、衝突被害軽減ブレーキの装着が常識になっている。

また86&BRZは、スポーツカーとあって長距離を移動することも考えられるので、車間距離を自動制御できるクルーズコントロールなどの運転支援機能も欲しい。

ちなみにマツダ・ロードスターは、車間距離を自動制御できるクルーズコントロールは採用していないが、80km/hを上限に作動する歩行者検知の可能な衝突被害軽減ブレーキ、後方の並走車両などを検知して知らせる機能は採用している。

86&BRZでこれらの安全装備を選べないのは、今日のクルマとしては不満だから、次期型ではアイサイトを採用するだろう。

86とBRZで困るのは、今後のスケジュールが、それぞれの販売店に説明されていないことではないだろうか?

販売店に今後の情報が伝わらない問題

86とBRZで困るのは、今後のスケジュールが販売店に説明されていないことだ。

一般的にメーカーは、将来的な新型車の投入スケジュールを明らかにしないが、その目的は主に現行型の買い控えを防ぐことにある。

次期型トヨタ86 AUTOCARイメージ
次期型トヨタ86 AUTOCARイメージ    AUTOCAR

次期型の登場が伝えられると、ユーザーはそれを待つから、現行型が売れなくなってしまう。そこで将来の発売スケジュールは伏せておく。

しかしBRZは、販売店で受注終了が間近なことを顧客に説明している。2019年9月のメーカー報道発表資料を見れば、前述の通り次期86&BRZの共同開発も明記されている。

さらにいえば、86とBRZは、買い控えが問題になるほど売れていない。

これらの事情を考えると、発売スケジュールは、早い段階で公表した方が得策だ。そうしないとユーザーは購入スケジュールを立てられず、「そろそろ日本車も卒業かなぁ」などと考えてBMW 3シリーズを買ってしまうかも知れない。

実車を見られない状態で、受注を開始するのは良心的とはいえないが、販売店に「いつ頃、どうなるのか」は伝えておきたい。

そうすれば顧客から尋ねられた時、「メーカーから情報が降りてこないんですよねぇ」と言い訳する必要もなく、メンツも立つ。

今のスポーツカー市場はきわめて小さい。ユーザー/販売会社/メーカーが互いに連携しないと盛り上がらない。

少なくともスポーツカーのユーザーを諦めさせたり、ほかのカテゴリーに乗り替えてしまうような対応をすべきではない。

記事に関わった人々

  • 渡辺陽一郎

    Yoichiro Watanabe

    1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年間務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向した。「読者の皆様にケガをさせない、損をさせないこと」を重視して、ユーザーの立場から、問題提起のある執筆を心掛けている。買い得グレードを見極める執筆も多く、吉野屋などに入った時も、どのセットメニューが割安か、無意識に計算してしまう。

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事