【4気筒モーガン史上最高】モーガン・プラス・フォーへ試乗 BMW製ユニット採用 前編
公開 : 2020.06.12 10:20
6気筒エンジンを搭載した姉妹モデルより、シンプルで良質なハンドリングを備える、最新のモーガン・プラス・フォー。魅力あふれるドライビングが楽しめますが、やや高めの価格がネックでもあります。英国編集部が評価しました。
モダンなメーカーへ進化したモーガン
英国の老舗、モーガンはすっかりモダンな自動車メーカーへと生まれ変わったようだ。とても感銘深い。
モデルレンジのトップに位置する、BMW製6気筒エンジンを搭載したプラス・シックスに試乗したのは、2019年の6月だった。CXと名付けられた、まったく新しいアルミニウム製のモノコックは、モーガンの新時代を告げるものだった。
それからおよそ1年。今度は、プラス・フォーへ試乗する時がやってきた。新しいモーガンのマーケティング・ツールとして、個人向けの残価設定ローンのような金融プランが、英国では用意されている。
真新しいクラシカルなロードスターが、英国では手頃な価格で乗れてしまう。エントリーグレードのポルシェ718ボクスターや、アウディTTSロードスターより安価に、モーガン・プラス・フォーを楽しむことができる。
興味を抱く読者もいるだろう。とても強気な残価設定額に、そのからくりがある。一括で買う場合でも、プラス・フォーの価格はプラス・シックスよりは安い。
だが、古くからのモーガン愛好家は、4気筒エンジンを搭載した新モデルが6万ポンド(792万円)以上だと聞いて、どう感じるだろう。かなり高めの設定に思える。6万2995ポンド(831万円)という英国価格で提供されるのだ。
110年の歴史を持つブランドのモーガン。プラス・フォーは、4気筒エンジンを搭載した伝統的なモデルとは、まったく異なる個性と性能を備えている。
太陽光を浴びながら宛もなく周遊する
プラス・フォーの動的性能は、大幅に引き上げられた。操縦性や洗練性も、間違いなく進化している。それでも、モーガンらしさは残っている。個性的で憎めない。最新モデルであっても、現代的なスポーツカーほど垢抜けてはいないし、角も残っている。
筆者には、2シーター版の、初代ランドローバー・ディフェンダーといった印象を受ける。良い意味でも、良くない意味でも。カタチはまったく異なるけれど。
新しいモーガン・フォーにも、現代的なクルマのようにドアが付く。狭い車内からはみ出る右腕のために、部分的に取り外すこともできる。かなり簡単に。
モーガン・プラス・フォーにぴったりなドライビング・スタイルは、ドアの上半分を取り外し、ソフトトップを開いた状態だろう。優しい太陽光を浴びながら、特に宛もなく地図に広がるルートを周遊するのが良い。
キャビンは、プラス・シックスよりやや狭く感じられるが、身長の高いドライバーが快適に座れるだけの空間は確保されている。ダッシュボードや操作系のレイアウトは、基本的にプラス・シックスと同じ。
デザインはシンプルで運転しやすい。見た目も良い。スピードメーターはダッシュボード中央の助手席側にあって、不自然に遠い。
インテリアの素材や仕上げは、全般的に良好。メーターやスイッチ類など、あちこちにレトロ・スタイルのデザインが適用され、見惚れてしまう。