【既存ユーザーへ望ましい進化】ホンダ・フィット e:HEVハイブリッドへ英国試乗

公開 : 2020.06.13 10:20

フィット・ユーザーにとって望ましい進化

コンパクト・ハッチバックとしては珍しく、ホンダフィットは可変レシオ・ステアリングを採用している。運転に活発さや軽快感といった楽しさを求めるドライバーにとって、ステアリングホイールで感じる重さやフィーリングが好ましい。

英国版ホンダ・フィットのすべてに採用されるのが、e:HEVというツインモーター式のハイブリッド。ちなみに、日本では1.3L版のガソリン車も選べる。組み合わされるCVTは、従来のように加速時のぼやけた印象が薄らいだことが喜ばしい。

ホンダ・ジャズ(フィット)1.5 i-MMDハイブリッド(英国仕様)
ホンダ・ジャズ(フィット)1.5 i-MMDハイブリッド(英国仕様)

サウンド面では大きな違いはないようだ。平穏に走っていたいなら、アクセルペダルは半分以上は踏み込まない方が良い。それ以上倒すと、エンジンのうるささが目立ってしまう。

加速時には回したなりのノイズを発するものの、フィットは驚くほど活発に走る。発進時でも中間加速でも、よく回るエンジンとモーターのトルクが融合し、力強い。街の中をキビキビと走れるだろう。加えて、実世界での燃費も優れている。

リアシートは、英国ではマジック・シートと呼ばれる。素早くフラットに倒して荷室容量を広げたり、座面を立ち上げ、背の高い荷物を立てて乗せることもできる。

例によって車内には、沢山の小物入れも用意されている。荷室の床下にも空間があり、グローブボックスは2つもある。この実用性の高さも、従来どおりフィットらしい部分。

フィット・ユーザーにとって望ましい進化

複雑なハイブリッド・システムを、フィットらしい広々とした車内を犠牲にすることなく、巧みにパッケージングしている。ホンダの技術力を称賛したい。

総合的には、目立った驚きがあるとはいえない、4代目ホンダ・フィット。見方によっては、先代の枠を越えていないようにも思える。イノベーションではなく、3代目の強みを良いカタチで高めた、といった印象だ。

ホンダ・ジャズ(フィット)1.5 i-MMDハイブリッド(英国仕様)
ホンダ・ジャズ(フィット)1.5 i-MMDハイブリッド(英国仕様)

新型ホンダ・フィットが、新規顧客をどれだけ多く獲得できるか疑問ではある。だが多くの従来のフィット・ユーザーは、望ましいカタチでの進化だと感じるはずだ。

ホンダ・ジャズ(フィット)1.5 i-MMDハイブリッド(英国仕様)のスペック

価格:2万1385ポンド(282万円)
全長:3995mm
全幅:1695mm
全高:1515mm
最高速度:173km/h
0-100km/h加速:9.5秒
燃費:21.7km/L
CO2排出量:104g/km
乾燥重量:1228kg
パワートレイン:直列4気筒1498cc+ツイン電気モーター
使用燃料:ガソリン
最高出力:108ps(システム総合)
最大トルク:25.8kg-m(システム総合)
ギアボックス:CVT

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