【2020年版】AUTOCAR英編集部が選ぶ「いま新車で買えるクルマ」ベスト50 後編
公開 : 2020.07.19 08:50
4位 ポルシェ911カレラ
992型が良いクルマになるということはわかっていた。
ポルシェがフラッグシップ・モデルを台無しにすることは今までなかったし、これまで911は同じやり方で60年以上にわたり改良が続けられ、成功を築き上げてきた。それはよく知られている。
それでも992が登場すると、その見事な出来映えに圧倒されてしまった。先代の991が発表された時とは比べものにならないほどだ。
スピードやグリップやブレーキの性能が向上したからではない。モダンになった新デザインのインテリアや、最新のデジタル技術を駆使したダッシュボードに感心させられたわけでもない。
確かに、992はすべての面において明らかに先代を上回っている。しかし、傑出しているのは、遂に911がこれほど乗りやすくなったということだ。
991を生き生きと走らせるためには、ハードに攻めなければならなかった。992は違う。高性能グレードを買う必要もない。これまでの多くの世代の911と同様、ベース・モデルこそが手に入れるべき仕様だ。
また、それが最も911のあるべき姿を体現している。
3位 マクラーレン720S
マクラーレンの量産モデルで最も速い720Sが表彰台の一角を占めた。今回の選考基準に関係ない部分(例えば、自動車史上最も快適に長距離を走れるミドエンジン車であるとか)で見事な仕事を成し遂げることに忙しくなければ、もっと上の順位を狙えただろう。
現在720Sはわれわれが知る限り、最も幅広い分野において性能が高いスーパーカーだ。直線が非常に速い一方で、半年間毎日乗っても新鮮さが薄れることはない。単なる移動がちょっとした冒険に変わる。だが、その安定性と精度の高さは、さらに注目に値する。
合法的に公道走行可能な市販車で、720Sにサーキットで迫れるクルマはほとんどない。しかも720Sは、単なる晴れた日の気晴らし用クルマではない。おそらくその最大の魅力は、いついかなる時でも、自信を持って走らせられるということだろう。
2位 アルピーヌA110
このクルマと1位に選ばれたクルマは、順位が逆になってもおかしくない。クルマの楽しさというものが、純粋な運転の歓びのレベルがどれだけ高いかではなく、どれだけ多くの違った楽しみ方ができるかということで測るならば、おそらくアルピーヌが1位になるはずだ。
特に正当な理由もなく、ある地点から別の地点まで短い距離を、ただ穏やかにこのクルマを走らせることで得られる歓びは、他では得られない種類のものだ。
軽量で車幅が狭く、サスペンションについて(特にダンパーの制御)本当に分かっている人物がセットアップしているため、路上ではクルマから一体感と信頼感が得られる。人と機械の親密な関係は、ほとんどのスーパーカーではなかなか築けないものだ。
Sバージョンを買う必要はない。素のA110をわれわれは愛しているのだ。