【詳細データテスト】フォルクスワーゲンTロック・カブリオレ 飛ばすほどに悪化するハンドリングと乗り心地 街乗りの使い勝手は良好

公開 : 2020.06.20 08:50  更新 : 2020.06.20 08:59

さまざまなカテゴリーで進むSUV化が小型オープンに波及。レジャーヴィークルとして人気になりそうなコンセプトですが、乗り心地やハンドリングは満足できるものではなく、価格も含めて納得しがたい完成度でした。

はじめに

今週取り上げるTロック・カブリオレは、新たな種類のクルマ遊びを味わせてくれそうだ。フォルクスワーゲンによれば、いかつさでアピールするSUVに、風に髪をなびかせるオープントップを組み合わせた、ということになる。

ただし、なぜこんなクルマが必要なのか、疑問に思う人もいるだろう。販売台数のみにラインナップの存在意義を求めるならば、それも納得できる話だ。

2017年の発売以来、Tロックのボディタイプは単一だったが、いまやフォルクスワーゲンの売れ筋だ。英国でいえば、ゴルフ、ポロ、ティグアンに次ぐ4本柱の一角となっている。

中型SUVの人気は高い。現在、自動車市場はコロナ禍で麻痺状態だが、それまではセールスを伸ばし続けてきた。少なくともビジネス的な目線では、Tロックはまさにコンバーティブルのような新しいバリエーションを追加するべき車種だと考えるところだ。正直、あまり腑に落ちる理由とは思えないが。

もうひとつ、Tロックの購買層が上位モデルのそれより若いことも、その決定の一因だろう。年齢層の低いユーザーほど、オープンエアでのドライブに抵抗がなさそうだからだ。

ロジック的には納得できる。しかし、商品戦略としてはどうなのか。クロスオーバーのコンバーティブルは、定着できそうな車種なのだろうか。そうした疑問も含めて、このクルマを見極めていこう。

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