【タフトのマルとバツ】新型タフト、重要な荷室&シートアレンジが不満!? 充実装備はマル

公開 : 2020.06.19 05:50  更新 : 2021.10.22 10:15

タフトのバツ シートアレンジ

タフトは軽自動車サイズのSUVであると同時に、全高が1600mmを超える空間効率の優れたボディも備える。

車内は広く、子育て世代のユーザーも多い。そうなると居住空間や荷室の使い勝手を向上させるシートアレンジも大切だが、タフトは実に簡素だ。

ダイハツ・タフトの室内。
ダイハツ・タフトの室内。    ダイハツ

まず後席が固定され、前後のスライド機能が装着されない。そのために前後席に座る乗員同士の間隔は900mmだ。

同じダイハツのムーヴにはスライド機能が備わり、後端まで寄せると1030mmに拡大する。

ライバル車のスズキハスラーも後席がスライドして1035mmだから、タフトは100mm以上短く、後席の足元空間もムーヴやハスラーに比べて狭まった。

後席にチャイルドシートを装着した時は、ムーヴやハスラーであれば、前寄りにスライドさせられる。運転席に座る親との間隔が縮まり、信号待ちの時などに親が子供のケアをしやすい。

前寄りにスライドさせた後席の後ろ側には、相応に広い荷室ができるため、ベビーカーなども積みやすい。しかしタフトは後席がスライドしないから、このような使い方はできない。

スズキ・ハスラーの後席は……

ライバル、スズキ・ハスラーの後部座席は、スライド機能に加えて、背もたれを前側に倒すと座面も連動して下がってくれる。

背もたれを倒した時は、床の低い大容量の荷室になって荷物を積みやすいからありがたい。

スズキ・ハスラーの室内。
スズキ・ハスラーの室内。    AUTOCAR

しかも後席のスライドと、背もたれの前倒しで座面が昇降する機能は、両方とも左右独立式だ。

全高が1700mmを超えるスズキ・スペーシアやダイハツ・タントと同様のシートアレンジを可能にした。

タフトは遊びのツールとして使われるSUVの世界観を備えるから、シートアレンジも多彩にする必要がある。

タフトのバツ 4WDがシンプル

ダイハツ・タフトの4WDシステムはシンプルで、滑りやすい下り坂を安定して走破できるダウンヒルアシストコントロールなどは装着されない。

同じダイハツのキャスト・アクティバ4WDは、これらの機能を採用したが、先ごろ販売を終えた。

ダイハツ・タフトには、滑りやすい下り坂を安定して走破できるダウンヒルアシストコントロールなどは装着されない。
ダイハツ・タフトには、滑りやすい下り坂を安定して走破できるダウンヒルアシストコントロールなどは装着されない。    ダイハツ

現時点で選べるキャストは都会的なスタイルのみだ。キャスト・アクティバの廃止を考えても、タフトはSUVの機能をさらに高めたいところ。

ハスラーの初代と2代目が登場した後で、タフトが発売されたことを考えると、SUVとしての機能については、後出しジャンケンで負けたことになってしまう。

記事に関わった人々

  • 渡辺陽一郎

    Yoichiro Watanabe

    1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年間務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向した。「読者の皆様にケガをさせない、損をさせないこと」を重視して、ユーザーの立場から、問題提起のある執筆を心掛けている。買い得グレードを見極める執筆も多く、吉野屋などに入った時も、どのセットメニューが割安か、無意識に計算してしまう。

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