アウディRS Q3
公開 : 2013.09.26 20:00 更新 : 2017.05.29 18:18
■どんなクルマ?
アウディのチューニング・ディビジョンであるクアトロGmBHは、Qモデルがそのバッジに相応しいモデルであることを認識したようだ。その結果、Q3にもRSバージョンを追加することにした。
RS Q3は、RS3スポーツバックと同じ手法を採り入れたモデルだ。ボンネットの下に収められるエンジンは2.5ℓの5気筒。306bhpのパワーと42.9kg-mのトルクを持。RS3やTT-RSよりは遅いものの、それでも充分な0-100km/h加速5.5秒をもたらす。
また、その駆動方式はリア・マウントの電子制御湿式クラッチによる4WDが採用されている。トランスミッションは7速のSトロニックで、燃費は11.4km/ℓ、CO2排出量は206g/kmという値だ。
ボディ・ウエイトは1650kgだが、その車高はRS3スポーツバックと同様に25mm低くされ、19インチのホイールを履く。
価格は2.0ℓのTFSI Sトリムの£32,080(510万円)よりも£10,000(159万円)以上高価で、£43,000(683万円)となった。それは、RS3よりも高く、240bhpのレンジローバー・イヴォークSi4ダイナミックよりも高い。
■どんな感じ?
ポルシェのエンブレムがカイエンのステアリング・ホイールのセンターに取り付けられるのと同じ位置に、Q3はRSのバッジが付く。サルーンやアバント、またR8のためのフラット・ボトムのステアリングが付く風景はすこしばかり異様かもしれない。ドライビング・ポジションはスタンダード・モデルよりも確かに低い。しかし、それでも地面が近いと感じることはない。
アグレッシブなタイト・コーナーへの進入はあまりよい印象が持てなかった。というのもRS3と共有化されたセッティングなのだが、その性格上、能力はRS3ほど高くない。明らかに大きなノーズと大きなタイヤが大きなピッチをRS Q3に与えるからだ。
しかし、それをしてこのRS Q3が駄目なクルマかといえば、まったくそんなことはない。大部分の速度域では非常に速いクルマであることは間違いない。
5気筒エンジンは、1500rpmから上の回転では有効なトルクを発生する。
確かに、その重いボディのため、他のコンパクトなクワトロ・モデルよりセッティングが難しかったのか、ドライ路面ではややオーバーステアが感じられた。
■「買い」か?
何をこのクルマに求めるかだ。クイックなコンパクトなSUVを求めるのであれば良いかもしれない。しかし、そのパフォーマンスはRS3ほどではない。あなたがもし熱心なRSファンであるならば、その思いに応えることはできないだろう。RSというブランドに期待するほどの優れたパフォーマンスは持ち合わせていないからだ。
(ニック・カケット)
アウディRS Q3
価格 | £43,000(683万円) |
最高速度 | 250km/h |
0-96km/h加速 | 5.5秒 |
燃費 | 11.4km/ℓ |
CO2排出量 | 206g/km |
乾燥重量 | 1655kg |
エンジン | 直列5気筒2480ccターボ |
最高出力 | 306bhp/5200-6700rpm |
最大トルク | 42.9kg-m /1500-5200rpm |
ギアボックス | 7速デュアル・クラッチ |