日産ノート 1.5dCi アセンタ・プレミアム

公開 : 2013.09.26 20:20  更新 : 2017.05.29 19:27

■どんなクルマ?

第1世代の日産ノートはMPVとして素晴らしいモデルであったが、この第2世代のノートは、フォードフィエスタヴォグゾールコルサのライバルに進化した。しかし、それは初代ノートの高いドライビング・ポジションが好きだったオーナーを遠ざけたこと意味するわけではない。日産は、この新しいノートがより多くのユーザーにアピールするモデルだとしている。また、そのドライビング・ポジションも、そんなに大きく変わっていないという。

この第2世代のノートについては、日産はかなり強気で、マイクラに代わって、キャシュガイ、ジュークに続く3番めの人気モデルになると考えている。

2012年に登場したインビテーション・コンセプトがそのベースだが、幸いにもプロダクション・モデル化する際にも大きな変化はなかった。日産はこのノートに、クラス最高のエアロダイナミクスを与えた。それと同時に、ヨーロッパ市場にあわせたユニークなフロント・エンドを採用した。

そのシャシーはマイクラと同じVプラットフォームがベースで、フロントがマクファーソン・ストラット、リアがトーション・ビームというレイアウト。また、そのスリークなシェイプでも、ブート・スペースは犠牲にされないとしている。

実用面では90度に開くリア・ドアや、前後にスライド可能なリアのベンチシートなどによって改善されている。また、気になるドライビング・ポジションについても、旧型よりも僅かに低いだけであり、乗降は楽になっているという。また、そのキャビン・スペースを含め、リアのレッグルームなどはクラス・トップであるとコメントしている。

ミッドおよびトップ・スペックのモデルでは、より若いユーザーにアピールする装備がされているのも特徴だ。テストしたアセンタ・プレミアム・トリムは、ナビゲーションとフォン・コネクトを含む日産コネクト・マルチメディア・システムが装備されていた。

今回テストしたモデルは、1.5ℓのdCiで、英国では個人ユーザーのセールスの40%を占めると目されているモデルだ。CO2排出量は92g/km。ノートに搭載されるエンジンでは唯一の4気筒だ。その他のガソリン・エンジンは、ナチュラル・アスピレーションまたはターボチャージャーの1.2ℓ3気筒が搭載されることとなる。

■どんな感じ?

その乗り心地は、コンフォータブルなフォルクスワーゲン・ポロと、スポーティなフォード・フィエスタの中間といったところ。日産は、リラックスしたドライビングを提供するために、ヨーロッパ専用の足まわりのセッティングを行ったという。

ただし、ステアリングはフィードバックに乏しく、軽過ぎで、印象は良くない。しかし、街乗りと考えれば許される範囲なのだろう。むしろ、10.7mというターニング・サークルの小ささが有り難い。

1.5ℓのディーゼルは、89bhp、20.3kg-mというパワー、トルクだが、充分なパフォーマンスを持つ。パワー・デリバリーはスムーズで、スロットルによく反応してくれる。高速でも、ささやかなロード・ノイズが気になるものの、エンジン自体は非常に良い。しかも、今回のテストでも実質21.9km/ℓという燃費をマークした。

日産ノートの優れた点は、その実用性にある。荷室は深く、リア・ベンチを移動させれば325ℓから411ℓという容量を持つ。また、リアのスペースも素晴らしい。BMW 7シリーズのような空間がそこに存在するのだ。また、フロント・シートも178cm級の大人に充分なスペースがある。また、ヘッドクリアランスは、フロント、リア共に充分余裕があるものだった。

また、キャビンの造りも堅牢で、スイッチ類の正確さやレイアウトも申し分なかった。

■「買い」か?

日産のボス、カルロス・ゴーンは、このノートを、フィエスタよりもスポーティでなく、ポロより豪華でないと素直に認めている。直接的なライバルとして挙げられるのはホンダ・ジャズだろうか。MPVのような高い車高のクルマではなく、スマートで実用的な小型車を探しているのであれば、日産ノートは一見に値するクルマだ。

(スチュアート・ミルネ)

日産ノート 1.5dCi アセンタ・プレミアム

価格 £16,150(257万円)
最高速度 178km/h
0-96km/h加速 11.9秒
燃費 23.8km/ℓ
CO2排出量 92g/km
乾燥重量 1129kg
エンジン 直列4気筒1461ccターボ・ディーゼル
最高出力 89bhp/4000rpm
最大トルク 20.3kg-m /1750rpm
ギアボックス 5速マニュアル

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