【2桁ナンバー】古臭い? いえいえ、実は下取り査定にプレミアも 注目を集める背景とは
公開 : 2020.06.21 05:50 更新 : 2022.03.25 18:51
価値を認めてくれるのは専門店だけ?
歴史あるランドローバーやランドクルーザーを扱う「ツインランド」の経営も手掛ける生井氏は業界の事情と歴史にとても詳しい。
「古いクルマにつけられた1ケタ、2ケタナンバーにはプレミアム的な価値があります」
「これは今に始まったことではありません。ただし、それらの価値を認めてくれるのは専門店か老舗の中古車販売店ですね」
「買い取り時の査定について、2ケタナンバーなどのクラシックカーは一般的な大手の買い取り業者ではほとんど価値がないとされます」
「たんに、一律に製造年月が古いクルマとして査定(ほぼゼロですが)されるだけで終わります」
「大手の買い取り業者では全て売れ筋のカラーやオプションまで細かくマニュアル化されており、買い取り価格は本部のデータ中枢で判断されるからです」
「専門店や老舗店などで価値が認められ、プレミア価格で買い取られた2ケタナンバー車はそのようなクルマの購入を希望する人と繋いで販売されるケースが多いです」
1ケタ/2ケタナンバーのクルマにプレミアムな価値が認められ査定額がアップするというのは、どうやら本当の話だったようだ。
なお、横浜ナンバーの場合、横浜33などの2ケタナンバーを引き継げるのは、「横浜市、横須賀市、鎌倉市、逗子市、三浦市、三浦郡」に使用の本拠があるオーナーに限られる。
2ケタナンバー、もう1つの価値とは
生井氏によると、2ケタナンバーのクルマには、もう1つ重要な価値があるという。
それは少なくとも21~22年以上、ナンバーが変わっていないことで整備記録などの記録が、ワンオーナーでなくても辿って調べやすいということである。
「登録事項証明書の保存記録によって、同じ車台番号のクルマであれば、初度登録から現在まで歴代のオーナーの名前や住所がわかりますが、古いクルマにとって重要な整備記録、どんなパーツをいつ頃交換したのか? といったことなどは同じナンバーである方が記録をたどりやすいのです」
「2ケタナンバーのクルマは、新たなオーナーが安心して乗れるメリットもあり、また、とくに古いスポーツカーでは当時のままの2ケタナンバーはステータスにもなります」
「よって、こだわってこの手のクルマを探している人にとっては、プレミアムな価値となり、査定価格もアップするのでしょう」
ところで筆者のアルファ・ロメオ・スパイダー。10年くらい前に査定の一括見積りしてもらったが、ほぼ全滅だった……。返事すら来なかった業者もいた。
返事が来てもほとんどは「買い取りができません」(つまり査定ゼロ)で、「頑張って5万円です」との回答も1社だけあった。
わが家のアルファ・ロメオ・スパイダーに2ケタナンバーの価値はあるのだろうか?
「加藤さんお乗りの916は2ケタの価値はあまり期待できず通常、査定はゼロですが、専門店だと買い取ってくれるでしょう」(生井氏)
「その場合、程度にもよりますがワンオーナーであることが大きな武器になります」
とのことだった。
2ケタナンバーよりも、ワンオーナーで22年間乗って来たことに価値があるらしい。
ところで、もろもろの事情で2ケタのナンバープレートを手放すことになった場合、希望すれば旧ナンバープレートが返付されることをご存知だろうか? 事故でナンバープレートを破損、汚損して交換する場合も同様。新車時からついていたナンバーも返付される。
2017年4月に始まった「記念所蔵」という制度で、申し出れば、旧ナンバープレートに直径40mmの穴を開けて戻してくれる。もちろん2ケタのみならず、3ケタも希望番号も絵柄入りもすべてのナンバーが対象だ。
クルマは手放しても、長い間一緒に走って来たナンバープレートだけは一生そばに置いておける素敵なシステムだ。