【トヨタ超えて世界一】テスラの時価総額、約20兆円越え 課題は未だ多く
公開 : 2020.06.23 21:50
テスラの時価総額が約20兆円を超えました。トヨタやVWを上回り、世界で最も価値のある自動車メーカーとなったのです。しかし、通期決算の利益が一度も出ていないことや品質など、多くの課題は残されたままです。
テスラ時価総額、約20兆円に到達
6月10日、テスラの時価総額が約20兆円に達し、世界で最も価値のある自動車メーカーとなった。
この激動の時代に、投資家はかつてないほどテスラを支持し、トヨタやフォルクスワーゲン・グループを追い越したのである。
テスラは過去17年間の生産台数が100万台を超えたばかりで、通期決算では一度も利益を見たことがない。
品質に関する苦情やアフターセールスの問題(減少しつつある)、さらには半自動運転技術オートパイロットに関する疑問など、不安要素は枚挙にいとまがない。
それでも、テスラに対する投資家の期待値は揺るがなかった。
いわゆる専門家たちはここ数日、テスラのめくるめくような評価を正当化しようと、同社の優位性をアピールしてきた。
先進的なバッテリー技術、世界的な信頼性の高さ、売れ行きの好調な4車種のラインアップなど、彼らはあらゆるトピックを引き合いに出している。
しかし、正確な事実は何もないのに、株式仲買人が熱を上げているだけではないかという疑問もある。
これは批判ではない。
古参の自動車メーカーには、テスラと同等の性能を持つEVを作ることができない合理的な理由は存在しない。しかし、明らかに後れを取っている。
株式市場に上場するリスクはあまりにも明白であるが(アストン マーティンのように)、テスラは先手を打って素早く動いたことで、EV市場の主導権を握ったのである。
テスラの向かう先は「墓場」?
BMW、クライスラー、フォードを渡り歩いてきたGMの副会長ボブ・ラッツは最近、テスラの急成長を「精神病」と呼んだ。
絶え間ない誇大広告が価格を押し上げ、さらなる誇大広告を生み出すというのだ。
ラッツの見解を大きく要約すると、バブルは必ず破裂するということだ。
18か月前、彼は「テスラは墓場に向かっている」と主張した。
だが、今はどうだろう?
たとえ市場評価が現実的なものだとしても、逆に厳しい現実に直面したとしても、テスラはおそらく環境の変化に対応できるだろう。
テスラには、急激な環境の変化に対応しうるだけの柔軟性と十分な資金がある。
毀誉褒貶がある同社だが、世界で最も期待されている自動車メーカーとして、今後も業界を動かし続けることは間違いない。