【ゴルフVSフォーカス】8代目ゴルフはベスト・ハッチバックなのか 前編

公開 : 2020.06.25 07:20

高いテクノロジーが標準装備となるゴルフ

シンプルに比較をするため、シンプルなゴルフを選択した。130psの1.5L 4気筒ターボエンジンに、6速MTが組み合わされるエントリーグレードだ。英国でのトリムグレードは、ライフとなる。

ダンパーは一般的な固定式。リアサスペンションはトーションビーム式で、小径の16インチホイールを履く。シートはベーシックなクロス張り。

 フォルクスワーゲン・ゴルフ 1.5 TSI 130(英国仕様)
フォルクスワーゲン・ゴルフ 1.5 TSI 130(英国仕様)

純粋なゴルフと並べるのは、欧州では嗜好的にも真っ向勝負を繰り広げる相手。最新のフォード・フォーカスだ。エンジンは124psを発生する3気筒ガソリンターボで、価格差は40ポンド(5000円)程度しかない。

トリムグレードは、中間となるチタニウムX。ハーフレザーの電動シートに、17インチアルミが標準装備される。

価格は近似するものの、フォーカスには備わらないテクノロジーが、最新のゴルフではベースグレードでも標準装備される。モニター式のメーターパネルにアダプティブ・クルーズコントロール、ワイヤレス・スマートフォン充電、LEDヘッドライトなど、かなりの内容だ。

インフォテインメント・システム用モニターも、ゴルフの方が一回り大きい。価格は2万5000ポンド(330万円)を切りつつ、英国仕様はコネクテッド機能もサポートする。

信号機や1km先までの道路標識を読み取り、制限速度や道路の危険性などを知らせてもくれる。フォーカスには、この機能も備わらない。むしろこれだけの機能を、このクラスで備えているのは8代目ゴルフだけ。

欧州で一番売れているハッチバックは、一番賢くもなったというわけ。

従来のゴルフらしさも残されている

フォルクスワーゲンのゴルフらしい要素も残されている。適度に低く、リラックスして座れるドライビングポジションは、明らかにフォーカスより良い。

車内の幅は広く、リアシートにも大人が快適に座れる。車内の組み立て品質も高く、ボディのプロポーションは、ちゃんとゴルフしている。

 フォルクスワーゲン・ゴルフ 1.5 TSI 130(英国仕様)
フォルクスワーゲン・ゴルフ 1.5 TSI 130(英国仕様)

一方で、驚くほどクリーンに仕上げられたセンターコンソールと、表面の質感が不規則なプラスティック製パーツは、今までのゴルフでは見られなかった部分。ステアリングホイールの奥、ダッシュボードを横切る曲面的な仕上げも同様だ。

メルセデス・ベンツのデザインにも似た処理ではある。ドライバーに向いた角度の違いで、雰囲気は大きく異るけれど。

10.0インチのインフォテインメント・システム用タッチモニターは、ゴルフの多くの機能を操作するためのインターフェイス。その下には、エアコンの設定やパーキングセンサーのオンオフなど、特定の機能が割り振られたセンサー式のスイッチがある。

モニターで操作してみると、それほど難しさを感じない。深くメニューを掘り下げる必要がないところが良い。

さらに印象を高めるのが、ステアリングホイールのスポークに配されたボタン類から、多くの設定やシステムにアクセス可能なこと。運転中でも、視線や手を動かす量が最低限で済む。メーター用モニターに、操作内容が表示される点も評価できる。

この続きは後編にて。

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