【走りも乗り心地も大幅に向上】最新メルセデス・ベンツGLA 220dへ英国試乗

公開 : 2020.06.25 10:20

乗り心地も操縦性も大幅に向上

車内空間は、Aクラスよりはるかに高いルーフラインのおかげで、まったく別の印象。広さも増しているだけでなく、グラスエリアが大きくなったことで、全方向で視界が向上している。

着座位置も高い。初代GLAでは、その低さがマイナスポイントだった。シートの位置が高く、調整代も充分に大きい。広くなったリアシートは、足先を伸ばせる前席下の空間にも余裕が増えた。

メルセデス-ベンツGLA 220d AMGライン(英国仕様)
メルセデス-ベンツGLA 220d AMGライン(英国仕様)

確認はこれくらいにして、一般道へ出てみよう。

2代目メルセデス-ベンツGLAは、乗り心地が良くなり、より直感的な操縦性を獲得したことは明らか。リラックスして運転できる。路上での能力を、大きく拡張した。

特に初代と比較すると、乗り心地は大幅に改善。19インチのホイールと、15mm車高が下がるAMGラインのサスペンションの組み合わせは、快適性でプラスに働きにくい。

しかし、速度を落としたくなる大きなくぼみ以外、車内を充分に落ち着きのある空間に保ってくれる。タイヤの扁平率が50と肉厚なことも助けているはず。

スプリングレートはAクラスより柔らかいようだし、車高も高い。それでもコーナーでの身のこなしは評価できる。ボディーロールは充分に抑制され、フロントタイヤのグリップ力も不足はない。増えた車重を感じさせない。

英国仕様の220dは、4マティックと呼ばれる四輪駆動のみの設定。乾燥路面では、リアタイヤへどれだけのトルクが伝えられているのか、感じ取ることは難しい。

GLAのステアリングフィールは、Aクラスと同じくらい正確で軽快。それでも多くのライバル・クロスオーバーと同様に、ドライバーとの一体感は得にくい。

コンパクトSUVの中で優れた競争力

220dに搭載されるディーゼルエンジンは、力強くリニア。ノイズや振動は見事に抑え込まれている。ここでも初代GLAとの差は明らか。期待以上のスピードを簡単に引き出せるから、それほど熱くならないドライバーなら、安価な200dを検討しても良いと思う。

組み合わされるトランスミッションは8速AT。変速が時折もたつく場面があるものの、エンジンとの相性は悪くない。

メルセデス-ベンツGLA 220d AMGライン(英国仕様)
メルセデス-ベンツGLA 220d AMGライン(英国仕様)

もし初代GLAからの買い替えを検討しているなら、2代目は迷う必要はないだろう。快適性や洗練性、スピード、技術に品質など、幅広い面でクルマとして優れた進化を獲得している。

そのかわり、価格も全体的に上昇している。Aクラスとの親近性を考えると、引っかかる部分でもある。残価設定による月額の支払料金なら、悪くない条件にはなりそうだ。

BMW X1レンジローバー・イヴォーク、ボルボXC40といったライバルと並べれば、価格も違った見方ができるはず。ただし、英国やスウェーデン生まれのライバルの方が、同価格帯では注目度も特別さも強いとは思う。

コンパクトSUVという分野を広く見れば、メルセデス・ベンツGLAは優れた競争力を備えている。プレミアム・ブランドを考えているなら、検討する価値は間違いなくある。

メルセデス-ベンツGLA 220d AMGライン(英国仕様)のスペック

価格:4万1430ポンド(546万円)
全長:4410mm
全幅:1834mm
全高:1616mm
最高速度:218km/h
0-100km/h加速:7.3秒
燃費:17.6km/L
CO2排出量:130g/km
乾燥重量:1670kg
パワートレイン:直列4気筒1950ccターボチャージャー
使用燃料:軽油
最高出力:189ps/3800rpm
最大トルク:40.7kg-m/1600-2600rpm
ギアボックス:8速オートマティック

関連テーマ

おすすめ記事

 
最新試乗記

人気記事